小五

中学２年生の娘を持つ一児の父ですが。

会社で歳の近い部下の娘が小学５年になったという話を聴き、
ふと自分の娘のことを思い返しました。

そういえば小５の頃は俺以上に飯をよく食ってたなぁと懐かしくなったのですが、
「食べ盛りだろ？」と言おうとして「食べ頃だろ？」と言ってしまいました。

それ以来その部下は口をきいてくれません…

付足

初めての

拡散する初めての

拡散する初めてのおびただしい

無限大に拡散する初めてのおびただしい

無限大に拡散する初めてのおびただしい夏の

二倍速で無限大に拡散する初めてのおびただしい夏の

二倍速で無限大に拡散する初めてのおびただしい夏の終わりの

身の毛もよだつ二倍速で無限大に拡散する初めてのおびただしい夏の終わりの

身の毛もよだつ二倍速で無限大に拡散する初めてのおびただしい夏の終わりのサルモネラ

こうしてまた一つ、カオスが覚醒した。

黒玉

昨日ふとした拍子にあの黒い玉をなくしてしまいましてね。

そのときはさすがに焦ったんですけど、その後実家から電話かかってきて、
話してたらすっかり忘れてたんですよ。

その黒い玉がどうやらどこかの排水溝に落ちて川まで流れついたみたいなんですよね。

正直もうなかったことにしたかったんですけど、ホラ、今朝のニュース見ました？

早速第一の犠牲者が出ちゃったみたいなんですよ。

ニュース見たときはもうビックリしまして、多分アレは今人の形をしてどこかで暮らしてますね。

多分もう誰にも見つけられないんじゃないかな、私はもちろん無理ですよ。

ホント…どうすればいいんでしょう。

っていう記事を書いてたら偶然近くであった殺人事件の参考人として警察に呼ばれてしまった件。

後歩

後ろ歩き猫の足音には、触れるものを結晶化させる効果がある。

おかげでコイツの通った跡はそれはそれは美しい光景になるのである。

かつてそこに息づいた全てに死を与えて。

しかし、気分屋なあの猫が私達の町を訪れることはない。

何故私達は結晶になることなく、未だこの姿を保っていられるのか…

答は実に簡単だった。

その猫のすぐ側に、その呪いを逃れた者が寄り添っている。

彼が猫の進路を自らの手で無理矢理変更させているのだそうだ。

猫はよく、「たまにはお前以外の人間に会ってみたい」と嘆いているとかいないとか。

世の中とは常にそういったものらしい。

車内

あなたと飲むジュースは本当に不味い。

まるでここ最近の突然降り出した雨をグラスに集めて飲んでいるかのようだ。

そんな表現だったかもしれない。

少しでも新しい味を求める一心で手を出したというのにこれではあんまりだ。

いつの時代も、欲を出すとろくなことにならないという。

これもその一つだろうかと…

午後には雲行きが怪しくなってきたので、私は急いで車の中に乗り込んだ。

次の目的地まではまだいくらか距離がある。

いくらかと言っても今回はおそらく普段使うよりは長い距離を指している。

不意に夕立が襲ってきたとして、私まで届くことはないというわけだ。

着く頃にはもう夜だろうか。

実際にはあり得ない月の笑顔を想像して楽しんだ。

車内には音がない。

この静かな空間に、私と、ぬいぐるみのジャックと、乱雑なその他大勢。

その一体感は素晴らしく、この空間こそ私そのものだとすら思えた。

この席に座っている時、私は私ではなくなる。

私の体の一部（おそらくは脳に近い器官だとは思うが）となって、行動する。

それでも車は嫌いだった。

特に好きでもないぬいぐるみを置いていることも、好きな曲を聴かないことも。

全ては自らの意思と反した空間を創り上げるためであり、そういう意味でも私は私ではない。

この空間では、いつまでたっても私は私のままだ。

つまり、普段使っている表現で言えば「俺ではない」ということになる。

ところが、今日の私はまだ俺だった。

そうだ、お前が横に乗っているからだ。

「あなたと飲むジュースは本当に不味い」などとお前が言うから

お前を見つめる私は、まだ俺だった