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あなたと飲むジュースは本当に不味い。
まるでここ最近の突然降り出した雨をグラスに集めて飲んでいるかのようだ。
そんな表現だったかもしれない。
少しでも新しい味を求める一心で手を出したというのにこれではあんまりだ。
いつの時代も、欲を出すとろくなことにならないという。
これもその一つだろうかと…
午後には雲行きが怪しくなってきたので、私は急いで車の中に乗り込んだ。
次の目的地まではまだいくらか距離がある。
いくらかと言っても今回はおそらく普段使うよりは長い距離を指している。
不意に夕立が襲ってきたとして、私まで届くことはないというわけだ。
着く頃にはもう夜だろうか。
実際にはあり得ない月の笑顔を想像して楽しんだ。
車内には音がない。
この静かな空間に、私と、ぬいぐるみのジャックと、乱雑なその他大勢。
その一体感は素晴らしく、この空間こそ私そのものだとすら思えた。
この席に座っている時、私は私ではなくなる。
私の体の一部(おそらくは脳に近い器官だとは思うが)となって、行動する。
それでも車は嫌いだった。
特に好きでもないぬいぐるみを置いていることも、好きな曲を聴かないことも。
全ては自らの意思と反した空間を創り上げるためであり、そういう意味でも私は私ではない。
この空間では、いつまでたっても私は私のままだ。
つまり、普段使っている表現で言えば「俺ではない」ということになる。
ところが、今日の私はまだ俺だった。
そうだ、お前が横に乗っているからだ。
「あなたと飲むジュースは本当に不味い」などとお前が言うから
お前を見つめる私は、まだ俺だった
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