煌々

ちょっと買い物に行こうと思って、夜だけど部屋を出たんですよ。

外は冬ですから、ちゃんと服を着ていても結構寒くて、
雨が少し前に上がったのが救いかなどと思いながら車へ向かったんです。

駐車場の契約が遅れたせいで、アパートの駐車場には空きがなく、
100mほど離れたところにある駐車場に向かっていたんですが…

その途中、夜なのにまだ煌々と明かりの点いた家の部屋から、
おぎゃあ、おぎゃあと赤ん坊の泣き声が聞こえてきたんです！！

…いやお前、だからなんだよ、普通だろ。

ごくごく一般的な家族の夜の光景じゃねーか！

っていう小話を実際に体験してネタができたななんて思いながら車を出し、
買い物（漫画）を終わらせて戻ってきてみると。

なんと、まさにその家の前に救急車が止まっているではないか。

あんなに近くで稼働してる救急車を見たのは初めてかもしれない。

あんなに近くって言うか、真横通り抜けたんだけどね。

何しろ狭い道なもんで９割ほど救急車が占領してるもんだから。

抜けた先に家族の一人と思われるおばさんが立ってて目が合ったし。

「どうかされたんですか」とか聞こうかとも思ったけど、
下手に野次馬根性出してると思われるのも嫌だったんでそのままスルー。

その後は一度も振り向かずに部屋まで帰りました。

何か不幸があったときに野次馬の心ない視線ほど腹立たしいものもないしね。

この記事を書くことによって俺はホラー的な意味ではなく、
真の意味で呪われるのではないか。

もしそのおばさんが死んだとかだったらホラー的な意味で呪われるけども。

そう言われてみれば、なんで一人だけで立ってたんだろうな…

そのおばさんが野次馬だったとかなら草も生えませんな。