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物語に入る前に、パステルの能力を紹介しておこうと思う。
というのも、俺達の暮らしている世界には常に敵が潜んでいる。
そう簡単に生きて行ける世界じゃないんだ。
特に夜、奴らは無限の力を手にする。
そいつらを消滅させるためにパステルが持っている能力、
それが「白色光」…前方へ向けて放射状に拡散し、敵を貫く光だ。
パステルと俺は心と力を合わせることでこの能力を二段階まで強化することができる。
二段階強化後の能力は初期値に比べて桁違いで、その攻撃範囲は200m以上だ。
オマケに移動速度まで跳ね上がる。
この状態なら、いくら夜でも奴らはもはや敵じゃない。
まあ、夜になると奴等はいくら消し去っても無限に増殖するから、
これは攻撃というよりは防御の能力になるのかもしれないが。
ただし、この状態を長く続けるのは俺にとってもパステルにとっても良くない。
俺の体にはかなりの負担がかかるし、おそらくパステルもそうだろう。
それに、パステルの命は俺達人間に比べ、極端に短い。
俺はパステルと過ごすこの時間を少しでも長く、大切にしていきたいと思っているんだ。
パステルと俺は、一緒に生きていける。
俺はそう信じている…
「パステルの残した傷痕」より
語句解説
※パステル
本名 パステル=スタイル 作者の自転車
※敵
暗闇
作者にとって夜間における主な自転車事故の原因はこれである
ただし、今のところ作者はこれによって事故を起こしたことはない
※「白色光」
ライト
段切り替えは三段で、重くするほど光も強くなる
※攻撃範囲
光の届く距離
作者は以前かなり前方にある看板が発光しているのを見て不思議に思ったが、
実は作者自身の自転車のライトが反射していたものであることに気付いた
※「パステルの残した傷痕」
作者とパステルの出会いから別れまでを綴った短編集 続刊中
雨……止まないね……
みんな言うんだ、雨が上がれば虹ができるって。
で、水溜りに映った青空を踏み潰しながら歩くわけ。
別に空を歩いてるって感じでもないんだろうけど、なんかやりたくなるって…
でも、あたしは降ってるときの方が好き。
外には出たくない……
雨そのものじゃないのかも。
部屋の中が白くなるっていうか、壁とか。
……もとから白いけど、そういうのじゃなくって、余白って感じになるわけ。
その余白はさ、その後もずっと余白なんだ。
でも余白が好きなわけでもなくて。
ここが……隙間なんだなって。
土の中に潜ってるんじゃないんだけど、そういう感じにはなる。
でも土の中じゃ、十分な隙間ができないんだよね。
ここなら十分な隙間がある……
部屋の隅の方とか、なんか灰色っぽい感じでさ、何か出てきそうでもあって。
そこにあたしがいるっていうのかな。
他の角度から見たらどんなにいいかって思う…
写真に撮って飾っておきたいくらい。
でも雨が上がると、この気持ちはどっかにいっちゃうんだよね。
雨が降ってるときにだけ出てくるあたしがいるのかも。
…これも隙間なのかな。
特に、ベッドにもたれて窓越しに雨を眺めるとそう思う。
その時は地面が見えないから、ただ雨が空から落ちてきてて。
……飛べるのかな、なんて本気で思うよ。
でもずっと立ち上がらないからいいの。
立ち上がると何かがずれる……
雨が激しくなるような気がする。
もう床も真っ白。
テレビもベッドもテーブルもみんな真っ白で……
でも窓だけあって、そこに雨が降ってる。
……そこが…あたしだけの隙間なんだ。
やっぱりこの部屋にはあたししかいないけど。
※もしかすると腐女子すらも閲覧注意?
クルサード、早く、こっちこっち!
坊ちゃん、お待ちください。
そんなに急ぎますと、あっ…
うぁッ…いたたた…
大丈夫ですか坊ちゃん!?
うん、大丈夫、ぅ…
お怪我は…ああ、これはいけない、膝を擦りむいておりますね。
でもお薬を塗れば大丈夫だよ。
ええ、ですが今は消毒液が…
仕方ありません、坊ちゃん、少しだけ我慢してくださいね。
え、クルサード?…あ…
…痛くは、ありませんか?
ぅん…でも、駄目だよ、そんなとこ舐めちゃ…
心配はいりません、大切な坊ちゃんのお体なのですから。
作者、少々笑いが止まらなくなっております。
…ありがとう、痛くないよ。
だって、優しいクルサードの舌だもの。
坊ちゃん、あなたは…なんと、お可愛らしい。
えへへ…ン…
ん…ふ…
…
…はッ…もう、駄目だよクルサード。
すみません、私としたことが、つい…
…ここじゃ、人に見られちゃうよ?
…
さあ、お洋服をこちらへ。
うん。
…やっぱり恥ずかしいよぉ。
フフフ、私は坊ちゃんが幼い頃からお世話をさせていただいております。
何も恥ずかしがることはありませんよ。
うん…あ…
んふふ…ん…ん、ん…
…クルサード?
…はい、何でしょう?
そこ、あんまり気持ちよくない。
すみません、少し遊びが過ぎましたね、では…
ンはッ…あ、あ、あ、…ぁあ!あ、ああ!
んぉ…んふぅ……
あ、ぁ…ぼくもう……
…ッ!
…満足していただけましたか?
うん、ぼく、すぐに…
いえ、以前より我慢ができるようになっておりますよ。
えへへ…ありがとう!
はい。
…
…ただいま。
旦那様、お帰りなさいませ。
おお、クルサード、いつもすまないね。
ライルに何かあったようだが。
はい、転んで少々お怪我を…手当はさせていただきましたが。
そうか、ありがとう。
ところで…ライルに手を出したりはしてないだろうな?
もちろんです、私は旦那様の忠実な下僕でございます。
…今夜は、どうなさいますか?
ちょっともう無理(笑)
こ れ は ひ ど い
こんなもん何も知らずにブログを読んでくれてる純粋な読者をいきなり殴りつけたようなもんだろ。
って、別に俺にこんな趣味があるわけじゃないけどな。
(何も知らずにとか言うと誤解を招きそうなので)
可能性を広げるためだけに大事なものを失くしたような気がするぜ!
そもそもなんでこんなものを書こうと思ったんだろうか。
もともとこういうジャンルは嫌いな方で、そういう漫画とかもほとんど読んだことないのに。
(腐女子閲覧注意というのは、それ故に満足できるようなクオリティのものではないという意味)
正直自分でもよくわからないというか、数分前まではこんなもん頭の片隅にもなかったのに…
まあ一言で言うなら、
暇を持て余した、神々の、遊び
彼は偶然前から歩いてきた…というか、どう見ても周囲の奴らに避けられながら歩いてきた。
当たり前だ、黒いマントを羽織っている、いつの時代からやってきたんだと聞きたくもなる。
それでも、向こうから挨拶してきたんだから、一応こっちにも返す義務があるだろう…
「今あなた…挨拶、しましたよね?」
「え…まあ、だってそっちからしてきたじゃないですか。」
おかしなことを言う奴だと思った、しかし、彼は表情を一切変えずに続けた。
「良かった…早くこっちに来て下さい。」
オイオイ、新手の勧誘か?もしかして誘拐とかじゃないだろうな…
「あ、いや、いいです…僕これから用事があるんで。」
「あなた、私が本当に挨拶をしたと思ってるんですか?」
「え?」
「いいからこっちに来て下さい。」
そのセリフと同時に彼が取り出したナイフを見て、僕の「はい」と言うしかなかった…
「…お、見つかったのか!!」
「ああ、今回はなんとか奴らより先に見つけることができたよ。」
「あ、あの…すいません、なんなんですか?」
「意外と勇気があるんだな、俺が連れてこられたときはビビって何も言えなかった。」
彼らは僕を殺す気なんだろうか…そのセリフを聞いて僕自身も完全に黙ってしまった。
「手短に…と言っても少し長くなるけど、必要なことを説明する。」
確かに何も聞かされずに殺されるよりはマシか…いや、むしろ何も知らないまま死にたいくらいだ。
僕は最後の勇気を振り絞って逃走を試みた。
しかし、黒マントがすぐに僕の腕を掴んだ。
「待て!…君は今、命を狙われているんだよ。」
「何を言ってるんですか?僕は金持ちでも有名人でもないんですよ?」
彼は僕より小柄なのに、彼が掴んだ腕は振り払おうとしても少しも動かなかった。
本気で身の危険を感じた僕は我に返り、逃走を諦めた。
「話を聞いてくれ、私たちはどちらかと言えば君の味方だ。」
「どちらかと言えばって何なんですか。」
「味方というよりは、同族とでも言った方がいいかもしれない…」
この後、僕は彼の口から驚くべき事実を聞かされることになる。
だが、あのときなりふり構わずに逃げ出してしまわなくて良かったと、今では思っている。
…ここからの話は、できるだけ落ち着いて聞いてほしい。
初めに言っておくが、このナイフは君を傷つけるために持っているわけじゃない、安心してくれ。
わからないことがあれば話の途中でいくらでも質問してくれていい。
…わかりました。
早速だが、この世に魔物なんてものがいると思うか?
え…いや、それは空想のものでしょう。
でも、いるんだよ…例えば、君の体の中に。
…!?
焦るな、君の体の中の魔物は、君に力をくれる存在だ。
その証拠と言ってはなんだが、君はこれまで特に大した怪我も病気もしていないはずだ。
まあ、風邪をひいたことくらいはあったかもしれないけどね。
あ、はい、確かに風邪をひかないのが取り柄だと親に言われたことがあります。
…ていうか、その程度じゃ魔物なんて信じられませんよ。
人によっては、人間を超越した能力を与えられる者もいる。
もっとも、大抵の者は能力に気付く前に死んでしまうんだけどね。
私たちは自分たちの存在を「後継者」と呼んでいる。
…じゃあ、あなたのその力もそうだって言うんですか?
いや、私の力は私自身の力だ。
私にはもう力は残されていない。
まあ厳密に言えば少し事情が変わってくるがね。
もう?
そうだ、これが一番重要な部分なんだ、よく聞いてくれ。
魔物はいる…しかし、何匹もいるわけではない。
私の中で眠っていた魔物と、こいつの中で眠っていた魔物、そして君の中の魔物…
これらは、全て1匹の魔物のパーツなんだ。
パーツは世界各地に散らばっていて、その全てがあらゆる生物の体に隠れている。
…ひょっとして、それを集めるんですか?
そう思うだろ?残念ながら、その魔物自体は俺達には関係ないんだよな。
魔物は宿主に能力を分け与え、あるいは奪いながら眠っている。
眠っていなければならない理由もこの後すぐにわかる。
眠っているのだからそのうち目を覚ますわけだが、
目を覚ました魔物のパーツは私たちの体を去る。
その期限は、私たちの成長が止まった時だ。
年齢的にはだいたい成人の前後だな。
魔物のパーツは古い宿を捨て、別の新鮮な宿主の元へと新たに移り住むわけだ。
ただし、魔物とは霊的な存在であり、物理的に何かがなくなるわけではないので体は大丈夫だ。
このシステムは、かつてこの魔物が殺され、砕け散ったとき、完全に消し去られなかったことで、
魔物自身が考え出したのではないかと私は考えている。
素早く宿主を変えることで、効率よく復活に向けての力を蓄えているのだろうか…
でだ、ここからの話は、お前の命にかかわってくる。
俺達にとって本当の問題はその魔物なんかじゃない、その魔物を倒した側だ。
魔物が倒されたのは、今から何百年も前の話だ。
魔物が姿を保てないくらいバラバラにするほど残酷な奴らだったわけだが、
その時点では完全に「善」の存在だった。
だが、魔物がそれだけでは死なず、さらに俺たちの中に潜んでいることを知ってから…
奴らは「善」ではなく、「正義」を振りかざす集団になり下がった。
奴らは魔物のパーツが潜んでいる生物ごと魔物を消滅させようと動き出したんだ。
だが、魔物が眠った状態では奴らにも見つけることができない。
そこで、さっきの挨拶だ…
私は挨拶をしていない。
君が挨拶をされたと感じたのは、この機械のせいだ。
これは?
奴らから命懸けで奪い取ったものを私が改造した。
本当に命懸けだ、二人死んだからな…
じゃあ同じような人が他にもいたんですか?
ああ、沢山いるし、沢山いたよ。
大抵の人間は能力に気付く前に死ぬと言ったが、寿命で死ぬのではない、奴らに殺されるんだ。
当たり前だ、魔物は目覚めた時点で体を去る。
彼らに襲われる頃には、私たちはそこらの一般人と何も変わらないのだからね。
でも、あなたたちはなんで死んでないんですか?
運が良かった…私たちがここにいられるのは、すべて一人の人間のおかげだ。
彼は今のところ寿命まで殺されずに生き抜いた唯一の「後継者」だ。
彼は幼くして屈強な体を手に入れ、超能力にも目覚め、頭もよかった。
それらの力は彼が所持していたパーツに隠されていた。
彼が持っていたパーツは魔物そのもの…脳だったんだよ。
魔物も馬鹿ではない。
おそらく人間同士を戦わせるという方法を思いついたのだろう。
だが悪いことではない、そのおかげで私たちはこうして生きているのだからね。
今、脳は再び他のパーツと同じように眠りを繰り返してる。
もう彼のような存在は現れないかもしれないってことだ。
それでも私たちは死ぬわけにはいかない、先週も一人殺されたんだよ。
…待ってください、魔物が去った人間を殺しても意味はないんじゃ…?
いや、違うんだよ、最初は真実を知った者を消去するためだけに殺していたが、
やがて判明してしまったんだ…私たちの体が一般人のものと異なっていることがね。
君が挨拶をされたと感じたこの機械、これを作るために、数多くの仲間が犠牲になったことだろう。
これはもともと私たちの体質に合わせた超音波を放って、無理矢理魔物を目覚めさせる道具だ。
魔物が目覚めた瞬間に至近距離にいれば倒せると考えてのことだろう。
今では一時的に魔物を拘束する道具も実用段階に入ってきているらしい、被害者もいる。
この超音波を私が改造し、一般人には音楽に、「後継者」には挨拶に聞こえるようにした。
そっか、みんなが避けてたのは、単純に見た目が怪しかったからじゃないんですね。
そうだ、私に与えられた能力は、力よりもむしろこちらだったようだね。
しかもパーツが去った後も、こうして知能として残ってくれた。
こんな格好をしているのは、一般人を巻き添えにされたくないからだよ。
私たちの存在をある程度確認できていなければ、奴らは何をしてくるかわからない。
私のようにおとりになって戦う側と、徹底的に隠れる側に分かれているというわけだよ。
へえ、じゃあ、さっきの力の方は…
鍛えたんだよ、死ぬ気でね。
君も死にたくないのなら、今日からでも体を鍛え始めた方がいい。
奴らとの戦いは、すぐにでも始まるのだからね。
それと、お前の中の魔物はまだ目を覚ましていない。
こいつがちょうど目を覚まさない強さに調節したからな。
能力に気付けば、お前は俺たちの中で一番の戦力になるかもしれないってことだ。
奴らもいつ新たな武器を作りだしてくるかわからない。
もし私たちの存在を広範囲で検索できるような道具が作られたら…
最後に質問だ、お前も戦うか?
いやならここで俺達がパーツごと殺してやる。
これ以上、一人でも被害者を増やさないためにな…
さあ、答えを…
こうして今、僕は奴らの死体の前に立っている。
…さあ、次に狩られたい奴は、誰だ?
「SUCCESSOR」
久々の持ち込みシリーズですが。
設定が意外と細かいものの、物語自体がハッピーエンドに向かう気がしませんね。
これをハッピーエンドにできたら、結構な実力者ですよ。
というか、やっぱりちゃんと作ろうと思ったら、設定だけで(削ったのに)この長さかよ。
F・Aももうちょっと需要があればこういう無茶ができるんだけどね…
「いえ、私コーヒーは苦手で…」
相談に乗るふりをしてコーヒーを勧めるのがこの店主の常套手段らしい。
結局頼むことになってしまったアイスティーを飲みながら、私は店内を見回した。
店内は掃除も隅々まで行き届いていて、清潔だった。
音楽もかかっていたが、音量はそれほど大きいわけではない。
選曲は店主の趣味だろうか。
「私の弟は確かにここに来たんですね?」
「ああ、確かにこの顔だった…この道も長くてね、顔の記憶には自信があるよ。」
僅かに笑みを浮かべながら店主は答えたが、その笑みが作りものであることは明らかである。
自分の身に起こったと考えれば、これは決して笑っていられる状況ではない。
無意識に窓の外の人混みを見ていた。
視線を落とすと、ふと目についた植木鉢、そこに植えられている花はデンドロビウム、
幼い頃にはよく家の玄関に飾られていたが、弟と暮らし始めてからは遠い存在になっていた。
「しかし、君も大変だね、こんなことになってしまうなんて…」
店主は心配しているかのような言葉を私に投げかけたが、それは決まり文句のようなものだ。
弟が見つからなければ、私は今後も幾度となくこの言葉を聞くことになるだろう。
「大変ですか…考えてもみませんでした…私は弟を見つける、それだけです。」
「格好良いね、私も一度はそんなセリフを言ってみたいものだ…いや、失礼。」
「いえ、大丈夫です。」
人間誰しも歳を取ったからといてそれに比例して賢くなるわけではない。
こういった会話の端々にその人間の品格が現れるものだ。
この店でこれ以上の情報を手に入れることはできないだろう。
私はアイスティーを3分の1ほど残し、代金を払って店を出る。
扉を開けると、昼下がりの生暖かい風が私を包み込んだ。
路面のアスファルトは、さっき降った雨のせいで酷い臭いを放っている。
弟を見つけたら、まず私の方から謝らなければならない。
そして、もう二度とこんなことが起こらないよう、もっと弟のことを大切にしよう。
頭で考えるのは簡単だが、実際に弟を見つけたらどうなるかわからない。
弟が見つかるかという問題以上に、私にはそのことが心配だった。
3
気がつくと、薄暗い部屋の中にいた。
俺の隣には見知らぬ女が寝ている、どうやら昨日の店から連れ帰ってきたらしい。
こんな光景は、俺にとってはそれほど珍しいことではなかった。
時計を見ると既に8時を過ぎている、俺もいつまでも寝ているわけにはいかない。
とりあえず、女には帰ってもらうことにした。
熱めのシャワーを浴びていると、ふと用事を思い出す。
今日は李沙に会わなければならない、なんでもあいつの弟がいなくなったらしい。
俺が探偵なんて仕事をやっているばっかりに、タダ同然で働かされることになってしまった。
俺だって数少ない友人は大切にしたいが、一刻も早く弟を見つけ出して本業に戻らなければ。
ただでさえ赤字覚悟の仕事だというのに、想像するだけでも恐ろしい。
幸い前回の依頼でかなり懐が温まっているため、当分は金に苦労することはなさそうだが、
ふとした拍子に一文無しなんてことが普通にあるのがこの業界だ。
まあ、本当は金がなくなるだけならまだいい方なんだが…
窓の外は生憎の雨だったが、天気予報では昼頃には止むらしい。
いつものようにお気に入りのサングラスをかけ、散らかった部屋を後にする。
「さて、ただの家出だといいんだがな…」
愛車の低いエンジン音に体を震わせながら、待ち合わせ場所を目指し発進した。
4
「ここより先は、本来人間の及ぶ範囲ではございませんが?」
「構わねえよ。」
それが俺の選んだ道だ、この世界には鬼が住む。
数えきれないほど無数に存在するその鬼達は、いつ俺を襲ってくるかわからない。
ならば俺自身がその鬼になってしまえば、話は一気に簡単になる。
むしろ話はそこで終わりだ、あとはどちらが狩るか、狩られるか。
とにかく、「狩られる」だけしか選択肢のない状況なんて考えたくもない。
「後戻りはできませんよ?」
「うるせえな…ブチ殺すぞ、カスが。」
「先が思いやられますね…せいぜいしぶとく生き延びてくださいね、期待していますから。」
しかし何度見ても胸糞悪い笑い方だ、今すぐ殴り飛ばしてやりたくなる。
それでも俺が人を捨てるためには、こいつの力が必要なんだ。
今さらあれこれ考えててもはじまらねえ、まずはてっとり早くぶっ飛ぶだけだ。
「さあ、始めようぜ。」
「では…」
03 | 2025/04 | 05 |
S | M | T | W | T | F | S |
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