偽術

Wiiで自分の好きな音楽を聴くことができる！？

私がその朗報を目にしたのは２００８年６月２１日のことだった。

なんでも写真チャンネル（最初から搭載済みの機能）でmp3音源が再生できるらしいのだ。

…気付くのが遅すぎるという声もあるかもしれんが、
最近ゲーム関係の情報に疎くなってしまって、サイトも月１度見るか見ないか程度なんだ。

さっそくmp3に変換済みの陰陽座の楽曲をSDカードに入れ、Wiiに挿入。

…おかしい、それらしいものがどこにも見当たらない。

ここで写真チャンネルのバージョンを確認した俺は動揺せざるを得なかった。

写真チャンネルのバージョンが１．１になっている！！

なんでもバージョン１．１以降はAAC（拡張子m4a）形式のデータしか再生できなくなるとのこと。

バージョン１．１が初めから導入されているWiiは２００７年１２月以降に発売されたものだ。

一方俺がWiiを買ったのは２００７年１月頃…ただ、理由は判明していた。

Wiiの機能はネットを通じて徐々にバージョンアップされていくが、それはネット環境があればの話。

ところが、一部の任天堂ソフトには読み込んだ時点で自動的に機能を更新するものがある。

今回の場合、「大乱闘スマッシュブラザーズX」を買ったことでバージョンアップされていたわけだ。

これに対し苦情が出たらしく、任天堂のHPによれば旧バージョンをダウンロードできるとのこと。

しかし、それは（Wii専用の）ネット環境があればの話で、俺にはそんなものはない。

その状態から機能を戻すためには一度任天堂に本体を送らなければならない。

…仕方ない、どうにかしてAAC形式のファイルを作るか。

とはいうものの、正直どうしていいものやら…

俺の場合、ケータイで音楽を聴くのもいろいろ面倒で諦めていたというのに。

そんなことを言っていても始まらないので、とりあえず今自分の持っているアイテムを確認してみる。

・microSD（ケータイに入れることができるサイズで、専用のSDカードに挿入すればPCでも使用可）
・ネット回線（PC専用）
・Wii　写真チャンネルバージョン１．１
・F902i（ミュージックプレイヤー機能搭載）

ミュージックプレイヤーで音楽を再生しようとすると、以下のような文章が出る。

［DOCOMO］→［MMFILE］→［F_MUSIC］フォルダにデータがありません。

そんなフォルダなんて最初からないぞ？

というわけでSDをパソコンに挿入し、新規作成でそれらのフォルダを作ってみた。

本当はケータイに付属の変換ソフトとかを使うべきなんだろうけど、これでいけるなら問題はない。

結果としては、フォルダリストまではたどり着けるようになった。

しかし、どのフォルダを選択しても「データがありません」と出るだけだった。

確かにケータイで再生できるデータはmp3ではない気がする。

そこでケータイに入っている動画の拡張子を調べてみたところ、mp4だった。

…うん、ケータイはとりあえず放置で。

Wiiの方を先に解決しなければ、というか今回の目的はそっちだろうが。

こんなとき専門的な知識があれば、俺はもうとっくに音楽を楽しんでいるに違いない。

さて、データをmp3へと変換するためのフリーウェアを手に入れたとき、
俺はネット環境をフル活用したことを思い出した。

AACで検索してみると、いろいろと出てきたのでそれらしいサイトに潜入してみる。

ここでわかったのだが、AACとは一般にケータイ用動画の圧縮形式らしい。

つまり、これでWiiで再生可能になったデータはひょっとするとケータイでも…

AACには拡張子にいくつか種類があり、m4aへの変換はiTunesというフリーウェアでできるらしい。

早速そこに貼られたリンクをたどってダウンロードしてみた。

ところで、これってiPodとかに使える圧縮形式らしいな。

ということはみんなとっくの昔に分かってたってことか…

まあいい、とにかく陰陽座のCDを変換してみようじゃないか。

これをSDカードに入れ、Wiiに挿入して写真チャンネルに入り、スライドショーを開始。

音楽を選択する画面に移行すると…

自分だけの力で何かを達成するのは気持ちがいいものだ。

ちなみにこれらのデータを［F_MUSIC］フォルダに入れるとケータイでも聴けるようになった。

とりあえず、SDの容量は１GBあるので、陰陽座の全楽曲を入れてやろうと思う。

しかし、AACのサイトの説明文にあったとおり、圧縮してるのに凄まじい音質だな。

ケータイからこんなもんが聞こえてきたらビビるわ。

F902iも捨てたもんじゃないなと思った。

要点だけを抜き出してるから結構スムーズに行ってるように見えるかもしれないが、
最初のフォルダ作成から拡張子の話までの間に結構無駄な努力をしてるし、
最初に見たAACのサイトが英語だったりと、目的のサイトに辿り着くのにも少々時間がかかった。

でも、俺は後悔しない…なぜなら、こうしてネタになったからだ！