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おーい、オーカー!!
ルベリエントは透き通った声で私を呼んだ。
いつもこうだった、しかし、それでも私には彼の姿を見ることはできないのだった。
オーカー、僕が見えるかい!?
いや、見えない…見えないよルベリエント。
そうか…今日も駄目か…
私が彼を見ることができるようになるためには、何か条件があるらしい。
ここ数年の私の人生は、専らこの条件探しに費やされていた。
オーカー、僕はもう疲れたよ、こうして毎日君を呼んでも、なぜか君は僕を見ることすらできない。
そうだね、どうすればいいのか、もう自分でもわからなくなってしまいそうだ。
オーカー、一ついいことを教えてあげよう、だって今日は君と出会ってちょうど5年の記念日だもの。
本当かい?
ああ…僕を物理的に見ようとしているうちは、決して僕を見ることはできない。
物理的な側面から見た僕は、君の細胞の一つよりもずっと小さい…
いや、この世界には初めから存在していないようなものでしかないんだ。
待ってくれ、ならどうすれば…!
オーカー、僕は君にこれを言うのが恐かったんだ。
なぜなら、君はきっと拒絶してしまう。
…そして、明日から僕は君にとって恐怖の対象でしかなくなってしまうんだよ。
そんなこと…そんなに酷い条件なのかい?
ああ、酷いね。
僕が見えるようになるということは、他のものが見えなくなるということなんだ…
それって…まさか…
そう、君の目を潰さなければならない。
そんな…
驚いたかいオーカー?
でもこれが真実さ…切り立った崖を直に観察したければ、それなりの危険を冒さなくてはね。
なるほど、驚いたよ…でも、そうか…それで君と会うことができるんだね?
ハハハ…正気かい?
ああ、この5年間、君を一目見たいとずっと願い続けてきたんだからね。
そうだね。
よし…もうこっちの世界ともお別れか。
さすがに少し残念だろ?
まあね、でも、十分すぎる結果が待っている。
…こうして私は目を潰した。
それが2年前のことだ。
以来私は常に右目だけで生活している。
左目は常に閉じられているのだ。
あのおぞましい化け物の姿を二度と見なくて済むように。
もうあの透き通った声は聞こえない。
代わりに聞こえてくるのは、地獄の底から響いてくるようなうめき声。
これからの私の人生は、それを掻き消す方法を見つけるために費やされる。
そして安心してから私は死ぬだろう。
奴は私が死んだくらいでは、きっと私を解放してくれはしないのだから。
私は急がなければならない。
私は必ず、清く、白い砂となる…
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