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漆:漆人殿、漆人殿!

   どうした漆人殿?

   拙者本日も、展覧会の開拓をしたく、参ったのでござるよ。

   なに、展覧会の開拓?

   まあとりあえず見てて。
   この、鳥取市若桜街道を駅からずっと県庁に向け、ひたすら進み続ける途中にあるここ、
   この左側ギャラリーに、今回の拙者達の獲物が、今や遅しと拙者達を待ち受けており申す。

   まあ自分達も当事者でしょ。

   待って、そこをメインに持ってくると後々面倒なことになってくるでござるよ。
   とにかく、これを見ていただきたい。
   この展覧会のテーマ「浮遊」、拙者、つけた者の意図が全く分からぬ。
   その中で、なんと集まったのが28作品でござるよ。

   28作品とはなかなかでごわすな。

   これぞまさに、「多きこと三國無双の武将の如し」なわけですよ。
   そして、今回はこの展覧会に出品された作品を使い、対談を催したいのでござる!

   …ようはレビューですか?

   まあそうともいいますね。

肆:長げええええええ!!

壱:一刻も早く絵の評価に移りましょう。

弐:ちなみに、要望があったからやるのであって、内容面で媚びるつもりはないぞ
   それに俺は他人の評価には影響されない、それが合ってようが間違ってようがな

捌:パンフレットを持ってきましたよ、掲載順にレビューしていくということでいいでしょう。
   しかし、前フリで長々と喋った割には今回の趣旨が何一つ伝わってないですね(笑)

参:漆人目や捌人目が早めに登場するのは結構珍しいね。
   …でも玖人目は出てこないという罠。

肆:ちなみに今回のネタ…展覧会に行ってない奴には何もわからないから読まなくていいぜ。

参:今回は本来漫画レビュー役の俺を中心に対談を進めるらしいよ。

『プカプカ』
参:前回の絵と合わせて考えると、基本的に写真と同じ色を作りつつ、
   若干ベタ塗りっぽい感じにするのがこの人の癖というか手法なのかなと思った。
肆:ただ本当はどうなのか知らんが、目の位置とかをもうちょっとちゃんと描き込んだ方がいい。
   俺から見たら違和感を感じた。
参:まあ基本的には写真2枚を違和感なく合成してる所や、色作りなどは評価できるね。
   …ちなみに評価方式だけど、★1つで「普通」、以降少しずつ上手い度が上がるという感じ。
   ……さらに言うと、相対評価。
   ★★☆☆☆

『夢幻』
参:俺の基準でいけば女性の周りにもうちょっと何か詰め込みたいと思うけど、
   表現としてはこういうのも全然アリだと思う。
肆:構図的にも挑戦的な体勢で、これが何も見ずに描けるようになれば大体の絵は描けるだろう。
   そういう意味では髪は想像で描いてたということで、デザイン的で良かった。
弐:写実的なのかイラスト的なのかをもう少し狙ってたらもっと評価が上がってもおかしくない
参:塗りもいつもに比べて丁寧だったし、キャンバスの大きさが活きていたかなと。
   ★★★★☆

『浮遊世界』
参:写真は一瞬でできる分構図とかの勝負になるんだろうけど、そんな知識は俺にはないからね。
   …ただ違和感はこれといって感じなかったので作品としては問題ないとは思う。
伍:他の要素では、文字にもう少し力が入っていればさらに評価は上がっただろう。
   ちなみに絵を主とした評価の為、写真に対しては少々酷評になる。
参:個人的にはタイトルにテーマが入ってない方が良かったなとは思う。
   ★★☆☆☆

『あかり』
参:狙ったのではないならもう少し丁寧に塗るべきかな。
   …ただ狙ったんだとしたら確実に作戦ミスだと思う。
弐:まあ基本的に元ネタのある創作絵はあまり評価できない、パロディなら話は別だが
参:しゃぼん玉の色にももう少しバラつきがあってもよかったかなと思う。
   ★☆☆☆☆

『コイはな』
参:音美作品の完全版ということらしいけど、『あかり』と同じ人が描いたとは思えない。
肆:参考にしたものはあったようだが、丁寧な形作りと塗りは評価できる。
参:ただ、説明文の意味はよくわからなかった。
   ★★★☆☆

『空へ』
参:タイトルは確実にミスだと思う。(既に空に浮いてるし)
肆:しかも捻りのない説明文に、適当な彩色、下書きもしたと言いつつしているように見えない。
   (こいつの「した」は「していない」ということが針金合宿の時に判明している)
弐:絵に時間をかける気がないというのが一瞬で読み取れる
   ちなみに、こいつははなから油絵を描く気がない(実際は展覧会の度に勧められている)
参:「絵に対する情熱だけなら誰にも負けない」と豪語した奴がこれじゃあ困るよね。
   …ただ、今回はいつもの作品よりは良かった。
   ★☆☆☆☆

『やわらか』
参:形、彩色、共に実力を感じる。
   泡の表現とかが良かったと思う。
弐:元の写真があったようだが、どれだけアレンジできてるかがわかれば評価が変わるかも
参:ただ、もうちょっと物同士の境界をぼかすかクッキリさせるか狙えてたらよかったと思う。
   ★★★☆☆

『さざなみ』
参:まあパッと見目を引くよね。
   …ただ、明らかに貼り付けてることがわかるのがちょっと残念。
伍:全体としては、この大きさでこれだけ細かい絵を描いているという時点でかなり評価できる。
   また、それぞれのパーツの形にもこの方特有のセンスを感じる。
参:いつも言ってることだけど、細かい(密度の高い)絵が描ける人は評価が高いよ。
   ★★★★☆

『無題』
参:彼は一昨年の音美前に俺があるサイトを勧めてしまったせいで、作風が変化している。
   …とは言っても、たぶん良い方向にだけど。
陸:ちなみにこの展覧会の為に描いたもの(本来の絵)ではないそうです。
   やっぱりOBの方にはメーリスではなく直接連絡しないとこういう問題が起こりますよね。
肆:しかし、人知れずこれほどの絵を描いてるってことは、よほど絵が好きってことだよな。
参:最近ちょっと若干恐い感じの絵(多分狙ってない)が多いけど、技術的には相当なものだ。
   ★★★★☆

『Image』
参:コラージュに描いた女の子より確実に上手いんだけど、やっぱり実力を隠してたのかな。
伍:おそらくメインであろう女性の顔部分が少々汚れているのが残念ではあるが、
   パーツごとの形としては完成度の高さを感じる。
参:背景が当初の計画と違ったらしいけど、多分計画どおりだったら評価はもっと上がってた。
   ★★★☆☆

『白い場所』
参:典型的な油絵という感じの作品。
   音美の作品を見ても思ったけど、遠くから見るとクオリティがやばい。
   …ただ、確実に俺の求める世界とは道が分かたれているなと思う。
肆:どうやら描いてる途中にいろいろ手違いがあったらしいが、
   俺はミスがあったときにどれだけ狙ったように見せられるかこそが必要な技術だと思う。
   そういう意味では、当初の予定と完成した作品の違いの割に違和感がなく良かった。
参:もっと違うものを描いた作品も見てみたいと思える作品だった。
   ★★★★☆

『帰途』
参:最初見た時は何を描いてるのかわからなかった。
   音美の作品も上手さを感じさせるものではなかったし、単純に下手なんだろうと思う。
   …でも「写真にはしたくない」という意志があったのでそれは評価できる。
弐:まあ、写真のように描こうと思って描いた絵を見るまでは、正確な上手さはわからねえな
参:魂の形とか、結構小学生とかが描きそうな感じだけど、まあ今後に期待かな。
   ★☆☆☆☆

『空中庭園』
参:一言で言うと「おしい」、アイディアが常人離れしているだけに、丁寧に塗ってほしかった。
   …多分もっと丁寧だったら余裕でベスト3に入ったんじゃないかな。
肆:ただ、デザイン画の悲しい性で、塗りが甘いと俺の中での評価はもちろん下がるぜ。
参:タイトルとの関連性があまり感じられなかったけど、これからの作品にも大いに期待できる。
   ★★★☆☆

『蝶』
参:形は良いし線対称的な構図も上手いけど、時間がなかったことはよくわかる。
   …解説でも聞いたけど、本人もこれで納得してるわけではないみたいだし。
陸:やっぱり絵に使える時間が限られても、ちょっとした空き時間って使いづらいんですよね。
   油絵の場合、一定量以上の時間がないとなかなか描く気が起きないというか…
弐:ただ、過去の作品に対しても結構同じようなことを聞いてきた気がする
参:時間がないことはわかっても、それを作品の評価に組み込むべきではないよね。
   ★★★☆☆

『樹』
参:ボブの力をマネすることができない分野だっただけにボロが出たという感じか。
   …特に根元の部分のクオリティと他の部分を比べると結構差があるんだけど。
肆:山とかは良いんだが、同じ絵の中でこれだけ部分ごとにクオリティの違いがあるのも珍しい。
参:結局このままボブを続けてもツッコミを入れられるようになるだけだと思うから、
   早いうちに自分流を作るか、ボブの中でももっと細かい作品を選んだほうが良いと思う。
   …木の幹の表現は良かった。
   ★★☆☆☆

『夢見』
参:この人はずっとこのスタイルで続けていて、一貫性があっていいと思う、直線も上手いし。
   …色の種類が少ない分、もうちょっと濃淡の表現があっても良かったとは思うけど。
伍:空白(空)を多用している絵の中では、表現が活かされている方だと思う。
  少なくとも手抜きには見えなかった。(ある意味力の抜き方が上手いとも言える)
参:ただ、例えばちょっとした個室にこの絵だけが置いてあって満足できるかと聞かれると…
   ★★☆☆☆

『O-LE』
参:なんか美術部って感じがした。
漆:セラミックスタッコって…「セラミックスタツコ」みたいな、「タツコセラミックス」みたいな、
   「マツコデラックス」的な!?
肆:ただの模様に見せかけて実は1つだけ描こうとしたものがあると言うから探してみたが、
   結局まだ見つかってない…でもおそらく一生見つからないと思うぜ。
   なぜなら、多分最初からこれを描きましたと言って見せられてもわからないだろうからな。
参:「味のある絵」を求める人としては、今回はまさに味のある絵になってると思う。
   ★★★☆☆

『海のもずく』
参:片方は音美の作品の使いまわしだけど、2枚並んだことで魅力的になったと思う。
   …ただ、別々の作品となっていても多分違いはなかったと思う。
陸:一部の部員の間では音美辺りから急激に作風が変わったので、
   「あの人の影響ではないか」という噂も囁かれていますよね(笑)
弐:ただ「もずく分」はあまり感じなかったかな、どっちかと言えば「もくず」の方がそれっぽい
参:でも、確実に作品のクオリティはデザイナーになれるレベルなんじゃないかな。
   ★★★★☆

『見入る』
参:ここから5作品連続同じ作者、通称菌様だけど…
   …水族館というのは説明文を見るまで気付かなかった、俺の想像力が足りないんだろうか。
肆:しかし、「クラゲは実在のものですが、描くときは何も見ずに描きました」とか言ってたが、
   別に違う姿勢とか構図にするなら見ながら描いた方がいいんじゃね?
参:ポスターの案として提出された時より塗りが綺麗になってるのは評価できるね。
   ★★★★☆

『アナタだけでは済まない』
参:眉毛についてはリアリティを重視したようなことを言ってたけど、
   他の絵でもやってるように、表現の為ならそっちは捨ててもよかったんじゃない?
   …少なくとも、あれで驚いてるようには見えなかった。
伍:ただし、これは過去の作品、現在ではそういった部分は改善されている可能性も高い。
参:まあ、浮遊というテーマでわざわざ出してくるほどのものではなかったんじゃないかな。
   ★★★☆☆

『夜半』
参:狼は獰猛さを表すためにわざと牙とかをおかしくしたと言ってたけど、
   確実に実物どおりに描いた方が獰猛さは伝わったと思う。
   なんか変にキャラクター的になって背景と合ってないし、絵のバランスが崩れていた。
肆:ただ、二等辺三角形構図とかの専門的な用語が出てくるから、解説は面白かったりする。
参:スプレーを使ってたのも表現としては良かったと思うけど、副作用がね。
   ★★★☆☆

『犯バーガー』
参:地球だということは言われる前からわかってたけど、上手くはないよな。
   あと別にバーガーのクオリティを下げない方が美味そうに見えて、
   人間の欲望を表すことができて良かったんじゃないかと今では思う。
弐:タイトルでこいつに教祖様(ドナルド)の降臨を期待した俺が馬鹿だったぜ
参:あと、どうでもいいけど「菌様流」ってバキなの?
   ★★☆☆☆

『中』
参:一言で言うと、上手くはない。
   本人も久しぶりのボールペンで使い勝手が…とか言ってたからわかってるとは思うけど。
   …でもボールペンの腕って鈍るもんなの?
肆:こいつは想像で描くと手とか服のシワとかに全くセンスがなくなるよな。
参:オマージュというならもう少しクオリティを上げてほしい。
   これでは菌様自身が嫌う「劣化複写」になってしまいかねない。
   ★★☆☆☆

『夜に浮かぶ』
参:搬入当日に白紙だと言うから大丈夫か?と思ったけど、
   絵を見て確かにこの構図なら大丈夫だと納得した。
伍:むしろこの手の絵は何日もかけて描くべきではないだろう。
参:結局はそれができるだけの技術があることが重要なんだけど、そこは心配ないからね。
   …ちなみに「自分には描けない」と言っている人が多いのは謎だったりする。
   ★★★★☆

『AD -Ambition in Deformation-
参:小さくても変わることなく伝わる塗りの丁寧さや表現の細かさは言うことないね。
伍:各々のパーツに散りばめられた意味も聞けば聞くほど絵の見方が変わり、実に面白い。
   特に今回、「実はオウムが空を描いている」はちょっとした衝撃だった。
参:ちなみに今回自分が20号を描いたことでこの人自体の評価もかなり上がった。
   あの大きさであの丁寧さ、ぜひ見習いたいと思うね。(過去の作品に対する感想)
   ★★★★☆

『サスペンドミノーのある静物』
参:高校の時の俺は、常に1本のシャーペンだけで主線から影付けまでしていた。
   (詳細については記事「占術」のイラスト等を参照してほしい)
   そんな俺から見ても、いや、そんな俺から見ると、この絵がどれだけ凄いかがわかる。
陸:実はまず話題になっているのは「この為に花瓶を割ったのか」ということなんですが、
   僕はすぐ絵に目が行ってそんなことは気になりませんでしたね。
参:良いものを見せてもらった、ごちそうさま。
   ★★★★★

『或る少女の悪夢の迷宮』
参:途中からの作品追加でさらに評価が上がった。
   …解説の時に岡大の人が来て店に連絡を取らなくてはならず、抜けたのが残念だった。
   その結果、質問しようとしていたことも「もう言ったんじゃないか」となって何も言えなかった。
弐:な、なんだ、あの作品…
参:ご存知、ないのですか!?
   彼女こそ寄せ集めからチャンスを掴み、スターの座を駆け上がっている、
   超時空展覧会!小夜子ちゃんです!
伍:さて、評価については、正直かなり難しい。
   作品の世界観については確固たるものがあるのだが、画力という面から考えると…
   特に今回は、既に「下手」で済む画力は越えているため、最も判定が難しい範囲だ。
参:テーマとの関連性、ネタとしてのインパクト等も含めて作品として評価するのが妥当かな。
   …想像画は「俺の分野」でもあるだけに、こういう作品は絵だけで評価すると酷なことになる。
   ……ネタとしては笑わせてもらった。
   ★★★★☆

肆:長げええええええ!!

参:ちなみに、好き勝手言ったけど、反論は自由にしてくれて構わないから。
   …ただし俺には俺の基準がある、素直に聞くと思うなよ。

陸:ちなみにアンケートで僕が選んだのは以下の3作品です。

『AD -Ambition in Deformation-
『Image』
『やわらか』

   さらに、全体の得票数ランキングトップ3は以下の3作品です。

『夜に浮かぶ』
『白い場所』
『千年の目覚め』

弐:一つも被ってねえwww

参:さらに言うと「.5」は切り上げしてるから。
   …本当はもう少し低いかもしれないってこと。
   ……ていうか相対評価と言いつつ★4が多すぎなんだけど(笑)

肆:ちなみに、先輩だからとかそんなわけのわからん理由で贔屓したつもりは一切ない。
   失礼で上等だ。
   需要があるなら今後も続けることにしよう。
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