恋愛

男は女を愛し、女は男を受け入れた。

男は女を守り、女は男を支えた。

男は女に迫る他の男を殺し、女はその男を忘れた。

やがて女は男を作り、男はその男と女を殺した。

…それが愛だったということか。

これが一つの事例であるにすぎないものだとしても、愛、恋といったものには、
少なからずこういった思考へと向かっていく力がある。

当人にはその思考すらも甘く楽しい恋愛の一部なのだ。

それは他人にとって、奇妙で、さらには恐ろしく、馬鹿げた茶番劇にすぎないものかもしれない。

その愛の終焉は新たな恋の始まりとなるのか、あるいは自身の死を招くのか…

それは誰も望んではいけない、しかしいつか必ず訪れる結末。

男は愛に死することを美しく思ったのだろうか。

愛に身を投じた者は覚悟しなければならない。

それがなければ、契への不安、焦燥感といったものは、果たしてどれほどの意味を持つのか。

…だからこそ愛は美しい。

離別の本流はその対岸で醜くもがき苦しむ他人を他人と定義するだけの冷めた思考に発生する。

だがその苦しみ、そして憎しみがなければ、愛は成立しない。

苦しみは欲望へとつながっていく。

また、恋の病などは存在しない、恋が病を呼ぶのだ。

愛には保証がある、恋に保証はない。

それでも束縛の程度は愛にも勝ることもある。

…そして、その渦中で苦しむ己自身に美しさを見出すか、一方的に流され続けるのか。

他人はそれを嗤うことしかできない。

それすらも愛へと変換することができるのは、当事者の奇跡的な可能性のみだ。

自身の人生において、現代の人類は決して後戻りすることはできない。

だが、愛はさらに酷い。

一つ道を間違えると、後に戻ることはおろか、先に進むこともできない。

そんな心理状態に陥った者の言動は、さながら極上のパントマイムのようだ。

そのまま破滅的な結末へと走り出すか、全てを変えて初めからやり直すのか。

だからこそ、そんな危険を冒してまでも他人への依存を試みる者達は、美しい。

…おかえり、玖人目。

そしてさようなら。

今回のような文章が続くと世間から見て俺は完全に病んでることになっちまうんだよ。

とにかく、玖人目が帰ってきた。

そして、今回のようなことはＤＶＤより優先順位の低い男が語っていいものではない…

いや、俺はあえて言わせてもらうぜ。

この広い世界でその状況を許容できる男が俺を除いてあと何人いると思う！？

むしろ私こそがこういった文章を綴るに相応しい人間だ。