抽象

今、私は人生において幾度目かの分岐点に差し掛かっています。

間違いなく、あと数日のうちに完全にそこに辿り着きます。

これまでどれほどの嘘をつき、そしてそれがこの場所に溜まり続けてきたことでしょうか。

時にはその嘘を真に受けて一喜一憂した者がいるかもしれない。

だが、昨日の私と、明日の私は確実に違う。

昨日と今日を比べるよりは違いがよくわかります。

全てが自由なこの場所では、逆に手に入らないものもある。

孤独を求め続けることのできる人間なんてほんの一握りしかいないに違いないんだ。

私の頭の中で何かがはじけ飛んだかのような錯覚を受けます。

それは今日の記事のように、自分でさえも後になって意味がわかるものなのかもしれない。

私には、未来を見通す力はありません。

これでもごく普通の人生を歩んできた、ごく普通の人間なんです。

季節を過ぎゆく人の足音には、その時々で異なる様々な音色がありました。

私は変わるのか、またここに連れ戻されてくるのか。

もちろん、変わったとしても帰ってくることは可能です。

そうです、今回死ぬかもしれないのは私ですよ。

少なくとも私が犠牲になれば、残りは生存できる。

変革の時には、少なからず犠牲が付きものなんです。

もう同じ景色が存在しないんです。

私の前に手があって、一歩進むたびに少しだけ後ろに押し戻してくれるだとか。

そんな都合のいい環境はもう自分自身で破壊しました。

ガラスの破片が舞い散る暗闇の中で、その隙間から私の笑い声が聞こえる。

それでも外の景色は美しいのですよ、涙が出るほどにね。

でもね、今ですらこの景色を破壊したくなりかけてますよ。

行き過ぎた変革は自分を滅ぼすだけなんですけどね。

もとから余裕なんてなかったのかもしれませんが、そういえば求めたこともなかったようです。

だって、渦が暴れるんですよ。

怒りや憎しみ、悲しみといったものを巻き上げて、喉の下の辺りまできてます。

そうですよ、負の遺産を生み出し続ける可能性を秘めた人間なんですよ。

…もう十分毒されたじゃないか。

ここから先は、どれほど急いだって「今さら」ですからね。

結果も大事ですけど、まずその変革を自らの手で起こすことができたという自信が欲しい。

早くしないと、もう６、７人ほど檻に閉じ込められたままになっているんですよ。

助け出して元の自分に戻らないと。

助け出した彼らは既に人格を失っているかもしれない。

しかし、抜け殻に再び命を吹き込んでやるにも、抜け殻がなければ始まらないわけで。

とりあえず抜け殻だけでも。