置癖

この地域での傘は消耗品だという話が出た。

先代の部長は「消耗品というよりは紛失品だ」と言った。

晴れの国に住んでいた頃は傘などほとんど必要なかったのを覚えている。

ちなみに僕と先代の部長の出身県である。

だから傘を常時持ち歩くという癖が１年ほど経っても未だ身につかない。

今日も展覧会の会場に忘れてきてしまった。

しかもこれは初めてではない。

５月頃、美術部の新歓のカラオケ後に折り畳み傘をなくしたことに気付いたのが最初だ。

それ以来壊れたり家に置いたまま急に雨が降りだしたりで、今家には傘が４本ある。

さらに、そのうち３本はどこかしらが壊れている。

新歓という単語が出たが、今度は我々も新入生をもてなす側である。

この美術部によって人生を大きく左右された１人としては、
どんな新入生が現美術部に興味を持つのか、非常に興味がある。

とは言うものの、自分自身実際に美術部の雰囲気を掴むことができたのは入部１ヶ月後。

つまり、新歓でどうとでも騙せるということだ。

サークル紹介冊子というものがある。

これは、新入生がサークルに興味を持つ上でとても重要な要素となることは間違いないだろう。

今回は私が担当させていただきましたよ。

この冊子の原稿には、各部自由にイラスト等を描くことのできるスペースが存在するのだが。

敵は演劇部にあり！！

でもあの人最近忙しそうだったしな…でもあの人ならそれでも描きそうだな…

そして結局持っていかれるんだろうな。

ただ、まだ起こってもいないことを想像して一喜一憂するのはあまり好ましくない。

想定の範囲を広げる程度にしておこう。

想定の範囲にも限界はあるけど、２次、３次的な現象まで考えると無限大に拡大する。

駄目なんだよ、俺は先読み人間だから。

予想したことをすべて出し切れるわけではないけど、それすらも予想しているっていう…

だいたいみんな２、３通りの結果は予想して物事に望むと思うんだが、
私の基本は５、６通りだからな…ちょっとだけだけど確実に多いよね。

逆に突発的に始まった会話に対してはできるだけその場のノリで答えるようにしている。

会話が止まると無意識に先読みしてしまうというのはあるが。

ただね、僕は会話が止まった瞬間の空気が好きなんですよ。

この状態を私は「凪ぎ」と呼んでいます。

気まずいと思う人もいるかもしれませんがね、まあそれも要因の一つかもしれません。

相手が気まずそうにしてたらより楽しいです。

簡単に感覚が共有できますからね。

ただ、そのとき僕の脳内ではこのブログに書いてあるような文章が勝手に流れている。

同時に相手は僕が黙っているとしか思っていないという設定変更が発動する。

こうなるともう好き勝手に想像が始まるわけだが、これが相手のことに及んだときが問題。

そのときはストッパーが出てきて「やめろ、それはダメだ！」と叫びます。

こうして僕のバランスは保たれているわけですね。

とにかく、もう雪はいいです。