退陣

ようやく冬将軍が退陣し始めるようです。

とか勝手に想像してるだけですけど。

でも最近、晴れの日がちらほらと訪れ始めたよね。

起きてすぐカーテン開けないと、もったいないことしてしまった気がします。

ここのところ雨・雪率九割以上だったし。

もちろん晴れに挟まれて物凄い風＋雨とかの日もあるけど、
この地では晴れがあるってのが奇跡なわけだよ。

昨日も風が凄かったからな…

でもそれが春一番だったと考えると、いよいよ春が到来するわけですね！

と、またもや勝手に想像してるだけですけど。

でも出かけるときは傘を持参するのを忘れてはいけない。

つーか、晴れだったら真っ先に口を突いて出るのが、
「この地域の晴れは信用できない」だからな。

…末期に近い。

でも…もう春はそこまで来ているんですよね？

ヨシノは未だ寒い外気の攻撃に耐えかねて赤く染まった頬に手を当てながら訊いた。

ヨシノ君、君が望む春は、はたして季節的なものなのだろうか。

高町教授の頬は白い。

それ以外の部分にも、生を感じさせることのない美しさがあった。

自分に投げかけられた言葉さえも、どこか自身の妄想ではないかと感じさせるものがある。

ヨシノが我に帰ると、高町教授の顔がすぐ近くにあった。

高町先生、あの私ッ

いいかいヨシノ君、物事にはね、それを行うに適した機会というものがある。

だが、世界に存在する不確定要素を全て排除したとすると、その機会は必ずやってくるんだ。

勉強をしなさい、私は不確定要素を排除しておくとしよう。

思わず目を見開いてしまった。

脳内を駆けまわる様々な思考は、やがて一つの結論へと収束し、沈黙した。

…待っているよ。

高町教授は無駄のない動きで学部棟へと消えた。

その後ろ姿を見送り、ふと思い出した寒さに震えながら、しかし彼女を包んでいたのは、
やがて必ず訪れることを約束された、まぎれもない春だった。

フゥ！冬将軍も真っ青な内容だっぜ！！

つーわけで、そろそろ冬を終わらせたいと思うのだが、どうかね？

またできもしないことを。