晴天

雪が降ってるんだけど、どうも路面凍結が怖くて素直に楽しめなくて。

思えばこっちに来てから本当に太陽が恋しくて仕方ないわけでして、
というのも常に雨、雪、霰、霙などなどが降るわ、
あるときには「やった、晴れた」と思ったら天気雨ですからね。

昔は狐の嫁入りだとか言ってはしゃいでましたが、こっちでは気象の１つとしか思えないよね。

でも常に晴れてた方がいいのかというと、実はそうでもない。

同じ景色でも、晴れ、曇り、雨、雪などの気象によって我々の目を楽しませてくれることもある。

たまには雪が奇麗に積もっているところを踏み荒らすのがもったいないという、
あの幼いころからなぜか変わらない感覚を味わうのも一興ですよ。

雪が汚いものであるということはこれまでの人生で理解したはずなんですが、
つまりこれは、人間はゴミが全て真っ白だったら奇麗だと思うのではないかという可能性ですね。

やっぱり人間、見た目が大事ってことか。

確かに見た目は大事ですよ、でもそれ以外の部分に魅力を見つけられるようになった方が、
人生楽しくなると思いますけどね。

というのが第一段階の思考ですが、もう一歩進むと、この逆もありだということになる。

粉雪とかそうでしょ。

あんなもの、見た目はいいけど被害がとてつもないからな。

髪に積り始めるともう質が悪い。

髪に体温がないんだってことを実感する瞬間ですよね。

それでもまあ雪の状態を保つことができている間はこれといった被害もないんですが、
部屋に入る→暖房をつけるなどして室温が上がる→解ける。

南方第一砦、陥落しました！

なにぃ、グレムリアの軍勢め…なかなかやりおるな…

このままでは兵への被害甚大、いかがなされますか！？

えぇい、奴らを、ドラゴニアを解き放て！！

は…しかし、彼らが牢の内で反逆を企てていると

黙れい！そんなことに気を取られている場合ではないわ！

あの汚らしい豚共を一匹残らず塵に返してやらねばならん、塵が生き物の形を得たところで、
本来の姿に戻してやらねば、それはただの道化にすぎんのだ。

ドラゴニアを放てい！塵を塵に返してやるのだ！！

第五牢獄解放！

「ドラゴニア全軍に告ぐ、標的グレムリアを殲滅せよ！」

どうやら王様、砦陥落と共に気がふれちまったようだな。

この瞬間をどれだけ待ち望んだことか…

オイお前ら、まずはグレムリアだ…次に…この城を焼き尽くしてやろうじゃねーか！！

こうして三勢力が一堂に会し、国取りの戦が始まったのである。

つまり、雪が降った後に一番怖いのが晴天なんです。