再会

「時をかける少女」が再び放送される。

ああいった鑑賞後に爽快感や余韻を与えてくれる作品は好きだ。

森博嗣の「すべてがＦになる」は、読後の余韻が凄まじかった。

以降私は全ての森作品を読了するため、今でも読み続けている。

「時をかける少女」をＣＭで初めて見たとき、あるアニメに似ていると感じた。

「ゼーガペイン」だ。

はじめは絵柄が似ていると思ったのだが、良く考えてみると内容も似てなくはない。

ちょっと意味が違うけど、時を戻るという設定あたりが。

実際は恋愛ものとロボットものだからかなり違うけど。

時をかける少女では自分の意志で時を戻ることができるが、
ゼーガペインではある期間を強制的に繰り返している。

その理由はたしか機械か何かに負けて人類は情報でしかなくなり、
一部の生き残った人間を冷凍保存、データとなって敵と戦い、ほとんどの人間はメモリでしかない。

大規模な記憶装置にも限界があるため、一定の期間で情報が初期化され再び繰り返される。

主人公を含め、敵と戦う組織に属している者達は、この無限ループから解き放たれた者達。

ってな感じだったはずだ。

また、主題歌がなかなかの神曲ってのも共通点として挙げられるだろう。

これまた雰囲気は全くと言っていいほど違うわけだが。

個人的な感想だが、ゼーガペインのＥＤのサビはかなり好みだ。

アニメを見たのは何年も前だが、今でもその部分は歌える。

…ところで、今回言いたいことはこれだけではなくて、むしろここからがメインなのだが。

何か今までに見たことのある映画だとか、聴いたことのある音楽だとかをもう一度体験すると、
以前それを体験したときに感じた印象やそのときの景色が再生されたりするよね。

時をかける少女に関して言うと、これが若干おかしい。

どういうことかというと、実家で見たのか、現在のアパートで見たのかが思い出せない。

普段私はドラマを見る時でさえ一つの作品として見るので、
場合によっては自分自身をも景色の一部として第三者的に風景を記憶するという現象が起きる。

しかし、これに至っては自分がどういった環境で見たのかがまるで思い出せない。

それとは逆に、劇中のあらゆる場面を、かなり原形を保った形で思い出すことができる。

これはつまり、この作品はそれだけ人の目を引き付ける作品だったということではないだろうか。

この物語が展開されている間、それを見る自分という主人公はこの世界に存在せず、
純粋に物語の主人公が世界の主人公となっていたのではないか。

人生の間にそんな作品を一つでもいいから作ってみたいものだ。

しかし、それは極めて短時間かもしれないが、他人の人生に介入し、主人公になり変わるということ。

それだけ影響力の大きい作品に賛否両論でないはずもないだろう。

とは言うものの、全ての人間から賛同を得る作品などほとんどないのだが。

例えば戦争の根絶を謳った作品でさえ、日々戦争に喘ぐ人々には奇麗事に見えるかもしれない。

だが、自らの作品が誰の目にも止まらないなどという悲しい状況は、できれば体験したくないだろう。

それならば、達成するかどうかではなく、目標としてこういったものを目指すのもいいのではないか。

ところで、もうすぐ鳥取でも新たな深夜アニメが放送されるようだ。

確か「図書館戦争」というタイトルだった。

実はその雰囲気が少しだけ今回紹介したようなアニメに似ていると思ってこの記事を書いた。

まだ話も見てないから今からそんなことを言うのもどうかと思うけどね。

ところで、シャーリーが死んだ回の予告（３０秒ver）のルルーシュは少し病んでたね。

悪い、未来の出来事だけど、ここしか書く場所がないんだ、許してくれ。