闘気

「俺は○○なら誰にも負けません！！」

このセリフを使う時は気をつけなければならない。

本当に誰にも負けない自信があって言ってるのならいい。

だが、基本的にそのことに人生を捧げる覚悟のある者が使うべきだと思う。

まあ、なくてもその場のノリで使う分には別に構わないと思うよ。

周囲にそれについて真剣に取り組んでる人がいたら、敵を作ることになるとは思うけど。

何でも楽しくやるのはいいけど、「誰にも負けない」という言葉に求められるものは、
そんなに生易しいものじゃない。

自らの前に立ちはだかった者達を片っ端から捻り潰していくという闘気。

そんなものを身につけるほど、そのことに入れ込んでしまった者に待っているのは、
それによる死であろうことは誰にでも容易に想像できる。

でもそれでも構わないと思えることを人生の主とすることができたらいいよね。

僕は今まで何かに対して心から「誰にも負けません！」と言ったことがないんです。

実際誰にも負けないものを持ってないから仕方ないが、
他人と比べられる覚悟がないという解釈もできる。

異端過ぎて比べられないという部分もあるかもしれないけどね。

「油絵で描いてみた」だぞ！面白いだろ？

…な、まだ「面白い」の域を出ていないんだよ。

俺はそれで満足なんだけどさ、ほら、俺って遊びに本気出す性格だし。

それでも絵が好きだから、こうして毎日何らかの形で絵を描いてるわけだ。

ただ、全てがお遊びなら、誰にも負けないと言われても対抗意識が湧き上がってくることなんてない。

どこかでその自信を叩き潰そうと、内から湧き上がる闘気が存在するはずだ。

ただ、もはや自分はどうすれば絵が上手くなるのかがわからない。

遊びで描くには、もう十分なレベルに達してしまって、満足しているのかもしれない。

満足できたことは悪いことじゃないと思うけど、さらに上を目指すことの障害になる。

そもそも俺はあと数年で絵と別れる運命にあるわけだ。

職に就けばもう絵なんて描いていられない。

今まで絵に費やした時間を勉強に使っていればと後悔することだろう。

これは私にとって、男女の関係と同じだ。

二人がいくら愛し合い、一生を添い遂げたとしても、死による別れは回避できない。

そんな絶対的な運命を背負わされているから、描けば描くほど絶望に近づく。

それでも絵を描くことをやめるなんて選択肢は、まだ存在しないんだ。

誰にも負けないなんて思わない、でも今の俺には絵が必要だ。

素晴らしい、いつかありったけの闘気を注ぎこんで絵を描いてみようじゃないか！

わかってると思うが、このブログでの「いつか」は数秒後から数年後まで「全てのいつか」を指す。

とにかく、展覧会に、絵を出します！