強奪

少数派主義ではないけれど、集合写真とかは嫌いで。

流行を追うワカモノ達とは、間に一つ壁を作ってる。

そんなに普通が良いなら、もうここにくるなよ。

だってお前の許容範囲を広げる暇なんて俺にはないんだよ。

精神的な世界にもひたらず、そうかといって日常も嫌い。

ギャグ漫画とか普通に笑うけど、本当に面白いのかは不明。

こっちだって平坦な道、歩いてきたわけじゃないんだよ。

ていうかそんな道があるなら、一度でいいから見せてみろ。

お前への愚痴はいつまでたっても絶えない。

それはお前も同じさ、昨日だって聞いたし。

俺のこと影で呼び捨ててなにか楽しいのか。

でもねちょっとくらい私だって傷つくこともあるのよ。

結局何言っても私…男の子だから。

いつもそうやってあなたは自分が前へ出ようとするけど。

あなたの背中は想像よりも醜いのよ。

鋭い視線がたまに私を貫くけど。

それじゃ私の眼に映るあなた自身を睨んでるだけよ。

顔を洗ってサッパリするのは、心ない笑顔とさよならするため。

歯を磨いてスッキリするのは、陳腐な舌を痛めつけるため。

私の視界はとても良好ですよ。

俺はもう出てきませんから。

鼓膜さえも邪魔になるほどの、透き通った耳の穴だって。

全部、すべて、私のものになりましたから。

優しい風が街の突起に絡めとられて死んでいく。

どうせ死ぬならと髪をなびかせるのに使った。

私、たぶん、明日になればもうどこにもいないわ。

だからきっと何処へでも、行けるわ。

そして心地好い妄想の中、切る。