記憶

あなたは記録に残ることと記憶に残ること、どちらがお好み？

具体的に書くと、記憶に残ることというのは、狭い地域に限定されることが多い。

しかも当人たちが死ぬ前に語り継がれなければ、基本的にその代で消滅する。

記録に残ることというのは、程度の違いはあるものの、無機質になってしまう。

また、ほとんどの場合、かなりの情報が削られてしまう。

簡単な例を挙げると、吉田は陸上競技会の前日、練習中に足を痛めてしまった。

しかし、高校最後の大会にどうしても出場したいという吉田の熱意に皆も答え、
３年連続の出場を果たした。

彼の出場した競技は１００ｍ走。

吉田は足に不安を抱えながらも見事に走り切り、大会新記録を出した。

記憶だけに残った場合、次年度の奴等はそのほとんどが彼のことを知らない。

記録だけに残った場合、「１００ｍ走　第１位　吉田伸也　９．０６秒」がすべてとなる。

彼はこの後何度も同じ質問に答える羽目になるだろうね。
今回の羽目も前回の破目も意味は同じだから。
さて、この例の駄目な部分はイ～可だ？
わかってるとは思うよ、でもまあ一応言わせてもらうけど、「な～んだ」って読んでね。
現実的に考えて、記憶にも記録にも残るよ。

どちらかしか選択できないパターンを例に挙げるのが理想ではあるものの、
今回の目的はそんなことではないのでこの例で十分なんだ。

情報が記憶と記録に分割されて残されるのは非常に面倒であるということが言いたい。

文明の発展や技術の進歩には、この「面倒をなくす」という考え方が取り入れられてきたっぽい。

ようは、最初の文に「第１位」･「伸也」･「９．０６秒」、この３つが加わればいいだけの話。

それで全ての情報が揃い、記憶にも記録にも残るようになる…

ここまでが予備知識。

日記は記憶を記録に変換し、ネットワークが記録を他人の記憶に発信する。

では、大勢の記憶に残る記録にはどんなものがあるだろうかと探究するのが？

至高の文章への第一歩だ。

具体的にはどうすればいいのか。

書けばいいんだよ。

とにかく文章を書けばいい、そして、それをもとにある事に気付かなければならない。

自分と同じ文章を書ける人間は無数に存在するということ。

このブログはいわば、「真のオリジナル」を生み出すために作られました。

簡単に言うと、このブログはフィクションです。（セカンドシーズン）