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成せば成る。
晴れやかな気分で仰ぎ見た空は、決して晴れてはいなかったけれど、
そこに虹がかかって暖かな光に包まれているような気分になることができた。
気付けば足元には無数の足跡がまばらに往きかっていた。
これは全て自分のものか、あるいは少しくらい他人の物もまじっているのか。
部屋の中から見下ろす街並みを想像して、今は一番背の低い自分がそこを歩いていた。
だけど一度踏んだところは歩きたくないから、足跡は全部よけて歩く。
難しいけどそれが面白くてここまで歩いてきたようなものだし。
たとえ暗闇でも霧の中でも、そこが帰るべき場所だと思えた。
両手を大きく広げて欲張りに歩き、いくつもの争いを生んだのかもしれない。
いつの間にかそこを歩いていたはずの足が本当は付いていなかったのかもしれない。
この物語は、そんなことなんかには影響されなかった。
自分の意志がそこに入り込む余地があるとすれば、それはその物語を見たいという意志。
いつまでも見続けていたいからどこまでも続くこの道を歩いている。
それはとても辛いことなんじゃないかと思うことがあったとしても、
実際にはやがて枯れてしまう花を好き好んで生けているように、
辛い部分を見ようとすらしていないとても強引な好奇心なんだ。
それに辛ければ叫べばいいし、それすらも楽しむことができるだろう。
実像は鏡の中に、老いて輝く水滴の儚げな彩りによって深くその影を落とし、
酷く荘厳な虚構を織り交ぜ捻じ曲がりながら彼らの全てを嚥下することを目指して、
やがて温かな風に包まれる仄かな灯りを燈し、己の存在を刻む為の墓標を築くだろう。
そのための季節がここにある。
つまりここは、新たな季節。
それこそが、いつもの季節。
by拾人@フィクション大魔王
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