五票

音美の合評会をしました。

今年は鳥取音美だったので、全ての絵の順位が書かれた紙も入手できたんですが、
そこでちょっと面白い情報が手に入りましてね。

俺の絵３８位だった。

意外と悪くないんじゃないでしょうか？

まあ、５票だったんですけどね。

しかし票数はあまり考慮すべきではないと思います。

というか、順位自体が絵の完成度（見栄え）とはあまり関係ないといった方がいいでしょうか。
（さすがにベスト５くらいになってくると関係してると思いますけどね）

全体では２００作品を超えるわけですから、当然０票の作品は半分以上あります。

それらは果たして全て駄目な作品だったのでしょうか？

そんなことはありません。

確実に他の作品に入った１票が入る可能性のあった作品もあると思います。

票数を全ての指標にしてしまうと、１票と０票の間にとんでもない壁ができます。

そしてそれはある問題を産みます。

「クオリティは低いのにあるキャラクターを描いていたから票が入った」などのパターンです。

こうなってくるともはや暴力の領域だと思うので、私は票数は考えません。

単純に順位だけを見て（この場合も順位が下の方は悪いという見方はせず）、
自分の絵がこの展覧会で３８番目にみんなの興味を引いた作品であったという評価をしました。

まあ実際、僕の絵に票を入れなかった人からの評判もそこそこあったので、
この評価は自惚れ的なものではないような気がしています。

そもそも１人につき４作品までしか投票できないシステムで５人から選んでもらえる、
こんな光栄なことはないように思います。

まあこの嬉しさには自分の絵がイラストであるという要素が影響しているのかもしれません。

イラストって変な目で見られる絵の代表格だと思います。

私も常にそういう目で見られてきましたし、未だにそうです。

ただなんというか、鳥大生の作品の中でも、
ネットから拾ったものをくっつけたという作品（？）に票が入ってるのを見ると、
やっぱり見る方の目が全然なってないなと思います。

描く方の責任でもあるとは思うんですけど、みんながみんな積極的なわけでもないので。

絵なんて別に描きたくない人も普通に美術部にはいるんです。

それも学生ですから、それこそ権利どうこうの問題なんて考えてないお子様です。

だから本来なら見る側がそれを見抜いてあげなければならない。

この展覧会に来る人たちはその目を持ってなかったというわけですね。
（学生の展覧会にそれを期待するのは酷な話だし、まあ不可能でもあるだろうが）

実際その絵は僕よりも断然順位は上だったんですが、
その事実を聞く前から僕はその絵に対して何の魅力も感じていなかったので、
自分の目は正しいと思っていいんじゃないかという自信にもなりました。

僕はそういう絵をけなすことは多分ないですが、褒めることは絶対にないです。

ただ、僕は自分の目が絶対だとも思えないんですよね。

今回の音美で２位になった猫の街みたいな絵があったんですが、
それ全然良いと思わなかったんですよ。

でもみんなは口を揃えてあれが良かったって言ってた。

まさか猫が好きだからとかいう陳腐な理由ではないと思うんですが、なんなんでしょうね？

一般人から見れば細かく描き込んでいるからでしょうか？

確かにそれはあるかもしれません。

僕の作品へのコメントの中に、「描き込みがすごすぎる」という嬉しいものがあったんですが、
実は僕自身はあの作品に対してまだ描き込みが足りないような気がしてなりません。

自分の絵を評価してくれた人との間にすらズレが生じています。

よって、僕にとってはそれほど描き込んでいるように見えなくても、
周りから見ると凄く描き込んでいるように見えるという状況は十分あり得ます。

僕自身も、（カラーでしたし）その絵から手抜き感は全然感じませんでした。

でもなにかおかしいというか、遠近感とか（あの場合あからさまだったから狙ってたのかも）。

何か引っかかるものがあって、そういう絵は評価したくない自分がいる。

それは自分の作品に対してもそうですからね。

自分でも満足して他人をも満足させる絵が描けた時がゴールでしょうか。

現段階の条件ではそれが成立する可能性は限りなく０に近いですけど。

まあ、じゃないとずっと描いてられないですから（笑）