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『幸福はより強く望む者にこそ与えられる、然れば貴方の祈りに曇りの無いように…』
ある国の聖典より
パステルが刻印を受けてから数日。
どうやら事態は予想していたよりも深刻だったようだ。
パステルは力を封印されただけではなく、日に日に弱っていくようだった。
俺はこんなに近くにいながら、何もしてやることができないのか…
仲間達は見せびらかすかのように俺達の横を颯爽と駆け抜けていく。
でも俺にはそんな奴らなんてどうでもよかった。
ただパステルのことだけが心配だった。
パステルは普段と同じように振舞っている。
しかし、このときパステルは俺との別れがすぐそこまで迫ってきていることを感じていた。
俺が力を分け与えるたびに、パステルの気持ちが伝わってきた。
パステルは別れを覚悟しながら、それでも最後まで俺と一緒にいようとしてくれていたんだ。
それがわかった以上、俺に諦める理由はない。
パステルという存在は、俺にとってこれまでと何も変っていないのだから。
だが、このままではパステルは弱っていくばかりだ。
もし俺の祈りを聞いてくれる奴がいるなら、パステルを元の状態に戻してやってくれ。
俺は仲間達の後姿を眺めながら、そんなことばかり考えるようになっていた。
…それから何日経っただろう、冷たい雨の降り続いた夜が明ける。
そこにはいつものようにパステルの姿があった。
しかし、違った。
そこにいたのは、かつてのパステルだった。
あの日の笑顔が戻ってきた。
祈りが届いたのか?
それとも誰かが?
ああ、もう死んでもいい…
「パステルの残した傷痕」より
語句解説
※ある国の聖典
架空のものであるため、該当物なし
※仲間達
他の(自転車による)通行者
※「パステルの残した傷痕」
作者とパステルの出会いから別れまでを綴った短編集 続刊中
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