両想

相手に結論を丸投げするっていうのもありなんじゃないかな。

倫理学でリコールのことを勉強したわけだが、これは「インフォームド・コンセント」に関わる。

上記の語句は「よく知らされた上での同意」という意味で、
倫理学の観点からは２通りの意味で捉える事が出来る。

まずは技術者のアカウンタビリティー（説明責任）を満たすためのディスクロジャー（情報開示）。

これは土木技術者であれば、何らかの事業を行う前に地域住民に対して行うのは当然のことであり、
講義を受けていなくても、または土木工学科でなくても誰もが知っていることだ。

別にもう一つの方は知らない人が多いとかそういうことではないが。

で、もう一つの意味とは、ちゃんと説明があった場合は最終的には自己責任になるということ。

これがリコールなわけだ。

テレビでよくやってる「～の製品をお使いの方は…」みたいなアレだ。

だから「必読」としてTOPページに掲載しているFAQに虚言がありますと書いている以上、
あとは俺がどんな嘘をつこうと読む側の責任になるということだ。

他にも卑怯な情報開示として、「効果には個人差があります」とかもある。

まあそれはいいとして。

例えば第三者が他人同士の人間関係を理解する上での前提として、
恋人同士であれば双方の何が好きで付き合っているのかとか、
教師と生徒であればどこを見てその先生が好きだと言っているのかとかがある。

そういうのは基本的に当人からの言葉を信じて判断するか、
もしくはいかにもわかりやすい行動から推察するかしかないわけだが。

中でも長期にわたって同じことを言い続けている場合はまず嘘はないと言っていい。

…はずなんだけど、残念ながらちょっと真実を捻じ曲げて語っていた部分があった。

僕は姉さんの声が好きで付き合い始めたかのようなことを言ってきました。

もちろん姉さん本人に対してもそう言っていました。

でも実はそれは嘘だったんです。

騙していたようで本当に申し訳ないですね。

ただ、「姉さんの好きなところはどこですか？」と聞かれるとまず声が出てくるのは本当です。

さて、じゃあなんで僕が姉さんに惹かれていったかということになります。

非常に言いにくいんですが…姉さんが僕のことを好きなんじゃないかと気付いたからです。

最初に違和感を覚えたのはクロッキーの時だったと思います。

姉さんがモデルになった時に僕がポーズの指示を出すような流れになり、
そこで僕は「じゃあ女王で」って言ったんですよ。
（そのとき女王って呼ばれていたので）

そうしたら姉さんの顔が真っ赤になりました。

それも一瞬でですよ。（マンガでよくある「ボンッ」って感じで）

いくらなんでも女王と言われただけでこの反応はおかしいんじゃないかなと思いました。

まあこれはこちらが感じた違和感であって姉さん本人はまだどうでもよかったのかもしれません。

僕としてもその程度で「コイツ俺のことが好きなんじゃね？」と思うのは相手に失礼だと思いますし。

でもその後似たようなことが何回かあるわけですよ。

しかもそれは僕以外の人との会話では見た覚えがないんです。

１年の間は彼女は作らないとしていた僕は結構迷いました。

しかし、がっ展のパンフレット制作の前にはだいたいの結論は出ていました。

パンフ制作中はいつにも増して姉さんとよく話すわけで、こちらとしてはフラグ乱立状態です。

例えば、姉さんは両想いであることを明かす時にある話を聞かせてくれました。

制作中に僕があるお菓子を気に入っていっぱい食べたことがあったんです。

結構高いお菓子なんですけど、次の日もそれが用意されていました。

僕は、実はこれも気付いていました。

まあその時点ではもういろいろと決まっていたので「なるほどね☆」って感じでしたけど。

というわけで、自分のことを想ってくれる人に惹かれてしまう…あると思います。

ナルトがこの前アニメオリジナル編で似たようなことを言ってましたけどね。
（意味的には結構違うけど）

「自分のことを想ってくれる人のいるところが、そいつの帰る場所なんだってばよ」みたいな。

ここまで書けば、当時の姉さんがいかに素直だったかわかって頂けると思います。

そして、ということは今僕が何を悲しんでいるのかもわかりますよね。

姉さんの心が僕から離れ、僕の心だけが置き去りになっていくという。

するとたとえ僕は変わらなくても相対的な距離はどんどん広がってしまうのです。

この記事を「別れを察した男の最後の戯言」と捉えるか、
「別にそんなことはないと釈明するチャンス」と捉えるかはあなた次第です。