傍鬱

「傍観者の憂鬱 ～marionette～」

薄暗い視界の中　僕は久しぶりに目を覚ました

僕の体は動いていた　誰か他の人の意思によって

薄く翠色に光る髪をなびかせ　颯爽と走っていた

湖面に映る自分の顔に　ずっと小石を投げていた

さっきまで僕の隣で笑っていた　あの子はどこ？

少しずつ記憶は戻り　忌まわしいあの日が蘇る…

声すら聞こえないこの部屋では　言葉もなく言われた通り

怯える僕たちを右側から　一人また一人と連れて行く

光の届かないあの部屋では　その切っ先も黒く濁り

凍える僕たちは投げ落とされ　一人また一人と死んでいく

もうすぐ僕の番だ…　

やがてその部屋に入った僕は　叫ぶ間もなく気絶した

誰か　この悲劇を終わらせてくれないか

たとえ僕が死ぬことになったとしても構わないから

誰か　この悲劇を終わらせてくれないか

まだ何もかも始まったばかりにすぎないみたいだ

それでも僕の口から出るのは　憎き悪魔の名前ばかり

「リーン様…リーン様…」

歴史はより赤黒く姿を変え　虐殺の日がやってくる

少しずつ記憶は戻り　忌まわしいあの日が蘇る…

僕は最後の望みを託す　幼い体が放った光

叫びと血飛沫の中で　一瞬だけ見えたその目は

僕が今ここに生きている理由となった

彼は必ずやってくるだろう…僕を殺すために

それまでは何度でも歌おう　やがて来る彼の為に

誰か　この悲劇を終わらせてくれないか

たとえ僕が死ぬことになったとしても構わないから

誰か　この悲劇を終わらせてくれないか

まだ何もかも始まったばかりにすぎないみたいだ

ファントム・アポカリプス　ソング：リッヒ

舞台背景：リッヒのキメラ化～決戦前夜まで