[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
「彼女は確かに月が綺麗だと思いましたか?」
という謎の文章を彼が一方的に口にしたのが、彼との最後の会話だった。
当時の僕は人間の思考を完璧に再現することのできる人間なんているはずないと思っていた。
だからこそ彼が何を言っているのか理解できなかったわけだ。
彼女はその日、月の見える丘へ行った。
目的は…しかし今、それを語ることはできない。
彼女は確かに、そこで月を見たのだ。
彼はその時、彼女のすぐ横にいて、その光景はとても綺麗だと思った。
そして、彼女は消えた。
今までいた彼女は、今はそこにあった。
このとき彼に残された時間も、もう残り少なかったはずだ。
最後の通信手段は、僕の認識では彼の携帯電話だった。
そこで彼はあんなことを言い残して、消えた。
たったそれだけのことだったのに、僕はいてもたってもいられなくなって。
それでこんなところまで足を運んでしまった。
起こったことは本当にそれだけ、そして一つ。
人間の思考を完璧に再現できる人間とは、つまり僕のことだ。
僕は月の見える丘に行って、彼の携帯電話を見つけた。
電話をかけてきたあの声は、確かに彼のものに違いなかった。
そうか、君は…
私はここで、さっき話した彼と彼女の物語を知った。
「ここ」とは、座標軸上での「この位置」でもあるし、時間軸上の「この時」も意味する。
足元を見ると、まだかすかに残っている。
君も、もしかしたら彼女も、まだここにあるのかもしれない。
つまり、私もこれで君たちの仲間入りということだ。
最後にこの文章を読んでいる全ての人に問いたい。
「彼は涙を流していただろうか?」
11 | 2024/12 | 01 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 |
15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 |
22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 |
29 | 30 | 31 |
01 02
07 10 11
01 02 03 04 05 06 07 08
01 02 12
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12
09 10 11 12