永久

無意味なこととは何だろう？

例えばそれは、魚が陸での生活を夢見ること。

私たちが太陽に触れたいと願うこと。

だが、もっと実質的な例を考えると、例えばこんなものがあるのではないか？

良い子のみんなに教えよう、人間が首を絞められると死に至るのは、
単純に呼吸ができなくなるからという理由ではない。

首が強く絞められることで脳に酸素を送る血管が遮断され、脳が窒息するのだ。

…ああ、なんという無意味。

確かにこういった知識を知らない人に教えること自体には意味があるのかもしれないが、
そこに意味が発生するような対象は少なくとも読者の中にはいない。

だが、それでも意味が発生する可能性はなくはない。

まあ結論から言おう、今の時代過程よりも結論が優先されるもんな。

俺がこれから描くことを決めた絵が完成したとして、その絵が何年間もったら満足できるか。

一応絵の寿命というのは描いた本人の何倍も長くて、
数百年前の偉人達の絵画も現代で現物を見ることができる。

彼らの絵は既に５００年近くの時を生きてきたことになるわけだ。

しかし、俺の絵はまだ生まれてすらいない。

それも決して評価されることのない絵だ、特別に保存されることもないだろう。

となると、１００年ももてばいいかな。

実際これが２００年となると、なんか無理な雰囲気が出てきませんか？

もともとどんなに永久を望んだところで、それは無意味なことなんです。

他者による攻撃、自然災害、どこまで行っても結局は地球そのものの消滅、
太陽の寿命が尽きればすべてが終わりだ。

どんなに頑張っても永久を手に入れることはできない。

だから実際は自分が死んで数十年ももてば十分なわけだ。

とは言うものの、正直ここまで真剣に描くと決めた絵の保存期間を考えるなど、
そもそも無意味なことのように思える。
（もちろん自分が真剣に描いた絵を大切に保存するのは大事なことだが）

描きたいものを描く、そしてそれが完成する。

その後のことを描きもしないうちから考える必要はないのかもしれない。

そもそも２０歳でこんな機会に出会えることは奇跡的なことなんだ。

そこに他の要素を持ち込むこと自体が必要ない。

でも十年、二十年と経っていくうち、きっと絵の評価は下がっていくだろう。

俺の様に才能のない人間が２０歳生きた程度で明確に「完成」させられるものなんて何もない。

逆に持っているものは、常に完成を目指すことができる余裕だ。

常に完成を目指し続けた先にあるもの、それは己の死であり、
結局完成させることのできないまま人生を終えることになるに違いない。

そして、それが他人によって完成と定義されたものが真の完成なのではないか。

自分で勝手に終わりを決めること自体が愚行だ。

ただ、俺の人生は「絵に生きる」と言うにはあまりにも不純物の混じったものになってしまった。

この絵は、絵に生きることができなかった俺のせめてもの悪あがきとなるだろう。

せめて俺が生きている間くらいは生きていてほしいな…

※ここまでが例に入っています。

まあこの記事は「今回描く絵について考えると軽く１記事描けてしまう」ということが言いたかった。

つまり、無意味なものとはこういった記事のことである。

よって、DKS。

ひょっとすると、この記事が駄文であるということ自体は永久のものかもしれない。