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9月ももう終わりか…
研究室でパソコンに向かいながら、コーヒーなど口に運びつつ、
さりげなく窓辺に視線をやると、坂道を寒そうに歩く二人組を見つけた。
そういえば今朝はいつもより少し寒かった。
そろそろ手袋の用意が必要か、などと考えつつ、画面へと視線を戻す。
この生活ももう相当な期間になる。
こうしていつも当り前のように朝早く来て、夜遅く帰るのだ。
仮に一日のうちこれだけは睡眠時間を確保しなければならないという法律があったとしたら、
ここのところ俺は法を犯し続けていることになってしまうだろう。
しかし、人間どんな環境だろうと、それを受け入れることで案外早く慣れてしまうものである。
少なくとも今は眠ることなど考える必要がないほどに目が冴えていた。
今回の仕事は決して強制ではない。
という名目ではあるが、強制されているようなものだ。
しかし逃げようと思えば逃げることもできる程度のものだった。
それをしようとしなかったのは、自身の中に眠る善意の仕業か。
いや、仮に逃げることを選択していたとしても、絶対に事態は悪化する一方だろう。
安全の約束された自室の中でさえ常に仲間の冷たい視線に苛まれるかのような、
そんな暗く、重い一日を延々と積み重ねていくことになるに違いない。
先々の展開を予想することに関しては少しばかり自信がある。
つまり現状では今とっている行動こそが最善の選択なのである。
と、自信を持って言い切れないところが、こんな文章を書いてしまう所以なのだろう。
そう言っている間にも横で黙々と仕事を消化する仲間がいる。
自分ばかり現実逃避に時間を割いているわけにもいかない。
といっても当然すぐさま作業に戻るわけもなく、少しの間だらだらと記事を読んでいたのだが、
さすがに毎日同じようなことの繰り返し、飽きるのも早い。
程なくして作業に戻ったのであった。
しばらくして、あることに気付く。
ここ数日仕事に没頭していたせいか、メールが来ているのに気付いていなかった。
メールチェックなどパソコンをつけてまずやっておくべきことではないかと自分を責めつつ、
願わくばせめて今日来たもので、さらに言うとどうでもいい用事であってほしいと願いながら、
メールを開いた。
…どうやらこんなことをしている場合じゃなさそうだ。
このメールにはまだ誰も気付いていないらしい。
なぜなら、こんなものを見たら黙っていられるはずがないからだ。
そう確信できるものが、そこには書いてあった。
今回の第一声を飾るのは俺の仕事になった。
「おい、みんな…緊急出動だ!」
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