解放

灰色の流星を見上げる賑やかな町の誰かの足の下で

レンガの隙間を果てなき巨大迷宮の中を進むように彷徨う俺の視線

右手に何かの花の茎　貝殻でできた飾りを巻きつけて

今すぐこれを投げつけてしまいたいような気分の悪さに奴の顔が笑う

本当は怒っていた？泣いていた？もしくは怯えていたのかもしれない

そう解釈できると思った瞬間に始まっている罪悪感

数秒後には血の混じった唾を吐きかけて塗り潰した

処刑人はどこだ？　罪人は誰だ？

奴の右足は俺を突き刺す杭のようにいつまでもここにあるのか

救いの手がこの杭を引き抜き俺を天国へと誘うのは何日？

少なくともあと一ヶ月はある

その後、彼に救いの手を差し伸べたのは誰？

残酷な月夜を見上げる仮面の下で薄ら笑う殺人鬼の左手さ

処刑人は嗚咽しクモの巣の中で踊った