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一足歩行の新人類は、空中を自由に飛びまわることができる。
彼らはその外見を犠牲に誰もが夢見る能力を手に入れたのだ。
といっても、外見という概念は、私達二足歩行の人間が作り上げたものでしかない。
彼らにとっては、私達はたった一本の、それも空を飛べるなら必要の無い足を得ただけで、
醜く地べたを這いずり回っているだけの生き物にしか過ぎない。
彼らは思うだろう。
一体どこでこんな差が生まれたのだろうと。
私達は決して、生身で彼らに勝つことはできない。
誰が本気で空を飛びたいと思ったのか、それが私の友人であったことを、今はもう誰も知らない。
気高き意志は、その周囲へと凄まじい影響を与えるものだ。
私はこうして外見を全て捨て、思念体として無限の生命を得ることに成功した。
どれだけの犠牲を払えばそうなることができるのか。
そんなことは誰も知らない。
私本人ですら、自分の行った方法を他者へと伝えることはできない。
口もなければ手も足もない。
私は以前、確かに二足歩行の人間だったが、それは何歳までのことだったか。
私自身の、他人に比べればほんの少しだけ長い歴史の中では、一瞬のことだったような気もする。
今ではこうして一足歩行の新人類の方が、私により近い場所にいるというわけだ。
そして彼らはみな、私の友人の血を受け継いでいるということだ。
だから、彼ら全て、私の友人だ。
もちろん私のことが見える者など一人もいない。
二つの進化が同時に起こった奇跡的な瞬間、私達には素晴らしい時間だったが、
あれは未だに人類最大の危機だったと言われている。
そのとき私達に見えていたものと、他の大勢に見えていたものは、おそらく違うのだろう。
認識とはその程度のものだ。
そして私達の真実は、簡単に歴史の闇へと葬り去られたに違いない。
今ではその時のかすかな記憶を、全ての者たちが間違ったまま語り継いでいるのだ。
それは史上最悪の事故だったのか、進化の歴史的瞬間だったのか。
私は誰にも伝えることはできない。
だが、そんなことを悔やんでいたのはせいぜい3、4年の間だった。
その間にも私は様々な惨劇を目にしてきた。
無力でありながらとても強い人類を見てきた。
私はもう人間ではないのだろうか。
いや、私は人間だ。
人間だった。
その事実がある限り、いくら時が経とうと、私は人間だ…
あの瞬間、より高次の世界へと迷い込んでしまったある男は、新たな世界を得た。
そしてそこには、既に数え切れないほどの仲間達がいた。
彼らは今や、口々に同じセリフを吐く。
3次元に行きたいと。
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