虚節イッター:記事を更新したいお年頃になってしまったようです
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魔力式飛行船「スクーダ」は、ヴェルダンドールアカデミー専用の高速飛行船である。
ルイにはアリシュナ討伐の大義名分による権限で使用が許可されている。
動力である魔力は速度の向上とそれによる衝撃からの保護のため、高密度に練り上げられている。
個人的な使用においては、この作業は使用者が行わなければならないが、
ルイにとってはそれほど難しいことではなかった。まさにルイのためにあるような機体である。
「コイツはいい、凄い速さだ!」
「目的地は日本のどこなんだ?」
「どこでもいいわ、日本は狭い国だから。それに、本当の目的地はちょっと違う場所なの。」
4人は海を越える。ルイは適当な場所を見つけ、スクーダを着陸させた。
「ハイチ、何だその恰好?」
「いや、この前霊界で日本人と知り合ってな。日本ではこんな恰好が流行っているそうだ。」
「そうなの…でも残念だけど、今からもうひとっ飛びしなきゃいけないのよね。」
「…いよいよ神の領域へ突入ですね。」
「万物は耳を澄ませ、我手、異界への扉を叩く音、一つ静か。」
ルイは目を閉じ、口元で人差し指を立てた。
「サイレンス…」
空間が割れる。そこからは何かが見えるわけではなく、ただ暗い闇が広がっている。
暗闇は徐々に拡大していき、人が一人通れる程度まで広がったところで静止した。
「さあ、行くわよ。」
「…よし。」
「飛び込め!」
暗闇は液体のように4人を包み込んだが、一瞬の間をおいて視界は白く変わり、
次には色鮮やかな別世界が彼らの前に現れた。
「さて…あら?」
「どうかしたのか?」
「おかしいわね…時空が歪んでる。」
「ゲートはもう閉じたようです。失敗したわけでもなさそうですし…」
「少し時代を弄らせてもらったんだけど、それが影響するってわけでもないし…」
「時代を弄ったって、目的があるのか?」
「ええ、もちろん、その辺の神に頼ったって返り討ちにあうだけだもの。」
「確かに、今やアリシュナも神だからな。」
「あたしたちが見つけるべき神…それはヒノヤギハヤヲ、別名カグツチよ。」
「どんな神なんだ?」
「簡単に言えば、イザナミを殺し、イザナギに殺された火の神だな。」
「さすがアカシックレコードの精霊、よく知ってるわね。」
「まあな…そんなことより、急いだ方がいいんじゃないのか?」
「カグツチが死んだら、この時代に来た意味がないしな。」
「でも、どうするんです?」
「こっちに来る前に大体の目星は付けておいたわ。神の居場所はこの鏡が教えてくれる。」
「そんな道具は俺も知らないぞ、どこで手に入れた?」
「あたしが作ったのよ。魔力があれば何でもできるってね。」
「…なんでもありだな。」
鏡を覗くと、燃え盛る社が見える。景色は徐々に移動し始め、最後にルイ達の姿が映った。
「よし、そう遠くないわ。場所指定は成功みたいね。」
「急ごうぜ!」
周囲は火の海と化している。その中心で今まさに父親に屠られようとしている男がいた。
「よくもイザナミを…覚悟!!」
「グゥ…ッ!」
「待ちなさい!!」
「間に合ったようだな!」
「なんだ貴様らは!?」
「カグツチは殺させないわよ。」
「ならば貴様らもここで死ね!」
「オイ、相手は神だぞ、まずいんじゃないのか!?」
「…フン!!」
「ガハッ!…カグツチ、貴様ァ…何故だ…」
「…え、ちょっと、どういうこと?」
「ここで殺されるのがせめてもの償いだと思った。だが、あんな奴はもう俺の父親ではない。」
「あたし達を助けてくれたの…」
「いや、俺の方が助けられたと言ってもいいだろう。…それで、俺に何の用だ?」
「お見通しってわけね。」
「神ではないお前達が目的もなしにここまで来るはずがないからな。」
「アリシュナの討伐に力を貸してほしいの。」
「ほう、アリシュナ…聞いたことがある。」
「?…そのためにあたし達と一緒に時代を飛び越えてほしいんだけど。」
「…一度は捨てた命だ、いいだろう。案内しろ。」
「ええ、こっちよ。」
やがて社は焼け落ち、そこに横たわる男の死体は天高く灰へと変わり、朽ち果てる…
はずだった。しかし、音もなくそこに現れた一人の女がそれをさせなかった。
「…体が、動く?」
「何をしてるの、イザナギ。」
「お前は…イザナミ!?死んだはずでは…?」
「…来なさい、奴らは皆殺しよ!!」
ルイにはアリシュナ討伐の大義名分による権限で使用が許可されている。
動力である魔力は速度の向上とそれによる衝撃からの保護のため、高密度に練り上げられている。
個人的な使用においては、この作業は使用者が行わなければならないが、
ルイにとってはそれほど難しいことではなかった。まさにルイのためにあるような機体である。
「コイツはいい、凄い速さだ!」
「目的地は日本のどこなんだ?」
「どこでもいいわ、日本は狭い国だから。それに、本当の目的地はちょっと違う場所なの。」
4人は海を越える。ルイは適当な場所を見つけ、スクーダを着陸させた。
「ハイチ、何だその恰好?」
「いや、この前霊界で日本人と知り合ってな。日本ではこんな恰好が流行っているそうだ。」
「そうなの…でも残念だけど、今からもうひとっ飛びしなきゃいけないのよね。」
「…いよいよ神の領域へ突入ですね。」
「万物は耳を澄ませ、我手、異界への扉を叩く音、一つ静か。」
ルイは目を閉じ、口元で人差し指を立てた。
「サイレンス…」
空間が割れる。そこからは何かが見えるわけではなく、ただ暗い闇が広がっている。
暗闇は徐々に拡大していき、人が一人通れる程度まで広がったところで静止した。
「さあ、行くわよ。」
「…よし。」
「飛び込め!」
暗闇は液体のように4人を包み込んだが、一瞬の間をおいて視界は白く変わり、
次には色鮮やかな別世界が彼らの前に現れた。
「さて…あら?」
「どうかしたのか?」
「おかしいわね…時空が歪んでる。」
「ゲートはもう閉じたようです。失敗したわけでもなさそうですし…」
「少し時代を弄らせてもらったんだけど、それが影響するってわけでもないし…」
「時代を弄ったって、目的があるのか?」
「ええ、もちろん、その辺の神に頼ったって返り討ちにあうだけだもの。」
「確かに、今やアリシュナも神だからな。」
「あたしたちが見つけるべき神…それはヒノヤギハヤヲ、別名カグツチよ。」
「どんな神なんだ?」
「簡単に言えば、イザナミを殺し、イザナギに殺された火の神だな。」
「さすがアカシックレコードの精霊、よく知ってるわね。」
「まあな…そんなことより、急いだ方がいいんじゃないのか?」
「カグツチが死んだら、この時代に来た意味がないしな。」
「でも、どうするんです?」
「こっちに来る前に大体の目星は付けておいたわ。神の居場所はこの鏡が教えてくれる。」
「そんな道具は俺も知らないぞ、どこで手に入れた?」
「あたしが作ったのよ。魔力があれば何でもできるってね。」
「…なんでもありだな。」
鏡を覗くと、燃え盛る社が見える。景色は徐々に移動し始め、最後にルイ達の姿が映った。
「よし、そう遠くないわ。場所指定は成功みたいね。」
「急ごうぜ!」
周囲は火の海と化している。その中心で今まさに父親に屠られようとしている男がいた。
「よくもイザナミを…覚悟!!」
「グゥ…ッ!」
「待ちなさい!!」
「間に合ったようだな!」
「なんだ貴様らは!?」
「カグツチは殺させないわよ。」
「ならば貴様らもここで死ね!」
「オイ、相手は神だぞ、まずいんじゃないのか!?」
「…フン!!」
「ガハッ!…カグツチ、貴様ァ…何故だ…」
「…え、ちょっと、どういうこと?」
「ここで殺されるのがせめてもの償いだと思った。だが、あんな奴はもう俺の父親ではない。」
「あたし達を助けてくれたの…」
「いや、俺の方が助けられたと言ってもいいだろう。…それで、俺に何の用だ?」
「お見通しってわけね。」
「神ではないお前達が目的もなしにここまで来るはずがないからな。」
「アリシュナの討伐に力を貸してほしいの。」
「ほう、アリシュナ…聞いたことがある。」
「?…そのためにあたし達と一緒に時代を飛び越えてほしいんだけど。」
「…一度は捨てた命だ、いいだろう。案内しろ。」
「ええ、こっちよ。」
やがて社は焼け落ち、そこに横たわる男の死体は天高く灰へと変わり、朽ち果てる…
はずだった。しかし、音もなくそこに現れた一人の女がそれをさせなかった。
「…体が、動く?」
「何をしてるの、イザナギ。」
「お前は…イザナミ!?死んだはずでは…?」
「…来なさい、奴らは皆殺しよ!!」
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