尋道

漆人目と肆人目のお暇なら見てよね！

漆：さて始まりましたお暇なら見てよねのお時間ですが今回のゲストはこの方！

肆：俺です。

漆：ほほう、敬語とは珍しいですね、かなりの本気度を感じることができます。

肆：いや、演出上そう言えと言われているだけだ。

漆：私たちは別にそんなことは言っていませんよ。

肆：ああ、もっと上の存在にな。

漆：なるほど。
　　 さて今回は早速企画の方に入っていきたいと思うんですが、準備はよろしいでしょうか？

肆：準備ができようができまいが始めるんだろ、やるならさっさとしろよ。

漆：準備ができたということですので、始めたいと思います。

「全力で日常会話のコーナー」

漆：想定されたシチュエーションで日常会話を全力でやっていきたいと思います。
　　 皆さんもこれを機に全力の日常会話を身につけてみませんか？

　　 テーマ「休日に散歩をしていたら隣町から来た人に道を聞かれた」時の全力で日常会話。
　　 それじゃあどうぞ。

肆：ああー今日は太陽がまぶしいな。
　　 最近雨や曇りばっかだったからたまにはこんな日がないとな。

漆：あのーすみませんけど、ちょっとお尋ねしても良いですか？

肆：あ！？それ自体がもうお尋ねじゃねえか！
　　 そんなこと言ってる時間があるなら２秒以内に言えや！！

漆：せっかく外からお前の町に来てやってんだろうが！！
　　 そもそも俺はこんな町には興味はねえわ！人気のパン屋に行くだけだ！
　　 どこにあるか教えろやコラあ！！

肆：テメェ本当に目付いてんのか！？
　　 この通りまっすぐ行きゃいいだけだろうが！
　　 つーかあそこにもう見えてんじゃねえか！！このクズが！！

漆：上等だコラ！
　　 テメェがそこまで言うならこっちにも考えがある、言われたままで終われるか！
　　 そもそも俺は目が良いなんて言ったつもりはねえぞ、メガネだってかけてるだろうが！
　　 お前がそうやって目の悪さを馬鹿にしてくるなら俺の得意な走りでも勝負しやがれ！

肆：何言ってんだコラ！？
　　 まるで絶対に自分が勝てるみてーな言い方だなオイ！
　　 その勝負乗ってやるよ！あの店に行くならちょうどいい、そこまでどっちが早いか勝負しろや！

漆：言ったなこの馬鹿野郎、後悔することになるぞ！？
　　 じゃあここからスタートだ、行くぞ！

肆：オラァッ！！

漆：…ハァ、ハァ、ホラ見ろやコラ。
　　 勝負にすらならなかったじゃねーか、え？
　　 この程度であんなに威張ってたのか！？ふざけんじゃねーよ！

肆：テメェ速すぎるだろ！

漆：当り前だろうが！高校時代は全国大会出場してんだよこっちは！！

肆：…ぁあ？テメエさっきそんなこと一言も言ってなかっただろうが！
　　 素性隠して勝負とか卑怯にも程があんだよクソが！

漆：負けたくせに卑怯者呼ばわりかコラ！！
　　 お前なんかにそんなこと言われるとかマジないわ。
　　 ホラ、敗者にはせっかくだから俺が買ってやったパンを恵んでやるからよ。
　　 これ食ってその汚ねえ口を塞いでろこのゴミが！！

肆：テメェこんなモンで挑発で来てるとか思ってんのか？
　　 腹も減ってたしむしろ丁度いいわ。
　　 飯食ってお前のこととかもうどうでもよくなったからさっさと目当てのパンでも買って消えろ。

漆：ああ、そうさせてもらうよ！
　　 ただ最後に一言だけ言わせてもらうわ。

肆：なんだ、言ってみろよ？

漆：電話番号何番？

　　 はい、ありがとうございました！
　　 というわけで、これで無事日常会話ができましたね。
　　 この通りに実践するだけで交友関係が広がっていくことは間違いなし！
　　 みなさんもぜひともお試しください。

肆：俺この企画は絶対に駄目な気がするわ。
　　 それなりに楽しいけど。

漆：非常に有意義な企画ですね。
　　 今後も様々なシチュエーションで全力の日常会話が展開されて行くことでしょう。
　　 非常に楽しみです。

　　 ていうか、全力ってこういうことなの？

肆：少なくとも俺の全力はだいたいこういうことだな。
　　 異論はない。

漆：非常に見方の偏った全力であるということは元より承知の上です。
　　 いかにこの企画を楽しむかという視点でとらえて頂けるとありがたいですね。

　　 いやぁ、それはそれでまたハードル上がったような気がするなぁ。

　　 とにかく、今回は大成功でした！
　　 本日のゲストは肆人目に来て頂きました、ありがとうございました！

肆：おう、じゃあまたな。
　　 お前らのことだから次はいつになるかわからんが。

漆：さてこの番組では、視聴者からの質問やご意見ご感想をお待ちしております！
　　 宛先は「空言の掲示板」まで！たくさんのご応募お待ちしております！

※この番組はフィクションです。