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そのときたぶん横には弟がいた。
家の庭で遊んでいてふと空を見上げた瞬間のこと。
急に地球が現れたかと思うや否や、
目にもとまらぬ速度で青空の彼方に消えていった。
分厚い雲にぽっかりと大穴があいてましたよ、地球型に。
結局地球から地球を見る夢だったわけだけど、
こんな夢を見るあたりが今の僕の精神の不安定な部分。
…夢オチかよ。
夢オチでも何でもない。
これがリアルってもんだ。
じゃ、検証してみるよ?
まず地球から地球が見えるなんてありえないよね。
しかもあんな奇麗な円形だったわけだ。
このことから二つの可能性が考えられる。
一つ目はこの星が地球じゃないパターン。
もう一つはあの星が地球じゃないパターン。
俺のターン。
次にあんな速度で地球が空の彼方に飛んでいったわけだ。
この星が地球じゃなかった場合、この生物は非常に時間を速く認識してしまうようだ。
たぶん地球は普通の速度で移動するはずだからそうとしか考えられない。
じゃないと宇宙の法則がみだれる。
あの星が地球じゃなかった場合、あんな飛行物体は未だに確認されてない。
世紀の大発見なわけだけど、消えちゃったんだからしょうがない。
ここで初めて登場する横にいた弟。
人間じゃなかったのは俺か、あいつか。
今回は間とって両方でいいや。
人間じゃないとすると、地球外に存在する知的生命体だったことになる。
たぶん僕達は、地球人に発見されることを待ち望んでいたんだな。
なんてシャイなんだ。
うん、情報はこれくらいでいいかな。
初めは地球から地球を見る夢だと思ってたけど。
どうやら地球外に存在する知的生命体になって、
地球人に自分達の存在を発見してもらうことを望む夢だったようだ。
となると全然不安定じゃないぞこれは。
宇宙のロマンだね。
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