虚節イッター:記事を更新したいお年頃になってしまったようです
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そういえば陰陽座の10thアルバム「鬼子母神」のレビューがまだだった。
というのもこの作品、個人的には原作も付いてクオリティも高く非常に良かったのだが、
まだ陰陽座を知らない人や今までの陰陽座が良いという人にとっては少し違う作品となる。
やはり「紺碧の双刃」で陰陽座の正統派進化は極まったという印象があり、
これに対しこの鬼子母神というアルバムからは明らかに今までと少し違う印象を受ける。
そんなわけで自分の中でもちゃんとこの作品を単体として評価できるようになってから、
はじめてこの作品を正当に評価することができるのではないかと思っていたわけだ。
なにを隠そうこの鬼子母神、陰陽座初のコンセプトアルバムである。
収録曲は全て組曲『鬼子母神』となっている。
それでは今回は、場面紹介も含めて全曲レビューでもしてみようと思う。
まずは登場人物紹介。
九鬼十蔵
主人公であり、自分の村からの移動中に高熱により意識を失う。
オニコサ村で目覚め、年に一度の鬼退治に協力を頼まれ、治療のお礼にと快く引き受ける。
静
数年前に村にやってきて外れの家に住む。
村人とは交流がなく、いつも死んだ我が子のことを思っている。
貞
村の長であり、巫女として村の運気を占っている。
部下とともに十蔵を助け、村のための鬼退治を依頼する。
茂吉
元は村人だったが、村を離れ山の中に住む。
はなという少女を連れており、人食いの鬼と呼ばれる。
曲タイトルの文字数により誰の曲かが異なる。
1文字:十蔵、2文字:静、4文字:貞・村人、5文字:茂吉
組曲『鬼子母神』~啾啾
森の中で少女と「鬼」が寄り添う場面
インスト曲、最後に「はな」と一言だけ入りそのまま次曲へつながる。
序盤のキーボードの静かな曲調からのメロディーラインはそのままに、
激しいギターパートへと変化する部分がアルバム全編通しても聴きどころとなる。
掴みとしてはかなり良く、後の展開を期待させてくれる。
組曲『鬼子母神』~徨
戦に敗れた十蔵が熱にうなされながら森の中をさまよう場面
瞬火は十蔵、黒猫は戦で殺された十蔵の妻を演じる。
最初の瞬火パートがかなりの低音からスタートするのでお気に入り。
ギターソロ前からかなり爽快な雰囲気に転調し聴きごたえがある曲展開を見せる。
キャッチーという意味ではアルバム中で1、2を争うオススメ曲だろう。
組曲『鬼子母神』~産衣
静が村外れの一軒家の中で空の産衣を抱いて一人で語り掛ける場面
自らの子を蘇らせるため、村の子供をさらって生き肝を奪うことを企む。
徨の最後から直接つながるのでここまでの展開はかなり気に入っている。
しかし曲調はガラッと変わり、ドロドロとした静の感情が描かれている。
組曲『鬼子母神』~膾
十蔵が鬼退治の真相の真相を目の当たりにする場面
鬼とは外の村からやってきた者のことで、退治(殺害)した者が次の年の鬼となる。
陰陽座の中でも群を抜いて暗く激しい曲であり、DIR EN GREY風な曲調ともいえる。
歌詞の半分は語りに近いが、ギターソロのスピード感が最高。
組曲『鬼子母神』~鬼拵ノ唄
オニコサ村で祭が催され、村人全員で歌を歌う場面
村固有の宗教ともいえる風習をそのまま表した歌であり、他のお祭り曲とは雰囲気が異なる。
その代りライブでは宗教並みに引きこまれ盛り上がること必至。
「鬼がいなけりゃ拵えりゃええ!」は一度はライブに行って扇子を振り回しながら叫ぶべき。
組曲『鬼子母神』~月光
月光に照らされ森を逃げる中、静がさらった子供に語り掛ける場面
一度は殺そうとした子供に徐々に愛着がわき、殺すのをためらう過程が表現される。
前半終了からいきなり静かな雰囲気になり、かつとても綺麗な曲調になる。
サビの「生肝抜いてやる お前」は歌声と歌詞の内容が全く合っていない。
組曲『鬼子母神』~柘榴と呪縛
十蔵、静、茂吉が森の中で偶然出会い、茂吉が過去を語る場面
柘榴ばかり食べているせいで栄養が乏しく、自らの肉を食べていたことで人食い鬼と呼ばれた。
鬼退治の際に子供を取り返そうとした妻、葉奈を村人に殺され村を抜ける。
少女を拾い、はなと名付け育てるが、はなは耳が聞こえないので話すことができない。
瞬火が茂吉、黒猫が葉奈を演じ、葉奈が茂吉に語り掛けているように歌われる。
茂吉パートの瞬火の最大限に感情のこもった歌唱は何度聴いても良い。
組曲『鬼子母神』~鬼子母人
十蔵達が村に再び乗り込み、洞窟で貞が反魂の儀式を行い本性を現す場面
貞は毎年生贄に出される子供の生肝を抜いて死んだ我が子の反魂の儀式を行っていた。
陰陽座初のシンフォニックメタル楽曲であり、三拍子で始まる珍しい曲調。
ライブでは初期以来かなり久しぶりに恐ろしい黒猫を見ることができる。
イントロが一番の聴きどころで曲自体はよくあるタイプだが、
最後の「私に捧げよ」のシャウトは必聴。
組曲『鬼子母神』~怨讐の果て
洞窟の中で茂吉が妻の仇を殺し、その後村人達に殺される場面
デーデデデデという繰り返しのリズムでフェードインしてくるところがカッコいい。
瞬火の歌唱が妻と子を殺された茂吉の叫びを完全に体現している。
正統派メタルであり、個人的にこのアルバムの中で一番気に入っている楽曲。
組曲『鬼子母神』~径
貞が死に、村人達に囲まれた洞窟の中から鬼の芝居をして十蔵と静が抜け出す場面
静は十蔵の策に乗り、全裸になり貞の血を体に塗りつけ「つがいの鬼」として洞窟を抜ける。
原作を読んでいるのといないのとではイントロから受ける印象が全然違うだろう。
前半部分は鬼の芝居をする十蔵の口上、後半は逃げる静の視点。
やはり前半部分の瞬火の歌唱が聴きどころとなる。
組曲『鬼子母神』~紅涙
静が森の中からはなと自分を逃がし村人達に殺される十蔵を見届ける場面
貞と争う最中に棒を突き刺され、かき回された目から血の涙が滴り落ちる。
物語が終わっていく雰囲気を見事に表した曲調で、最後の一泣きを誘う。
静の十蔵と共に生きたかったという思いがよく表現された一曲。
最後に鬼拵ノ唄がフェードインし、今後もこの儀式が繰り返されていくことがわかる。
組曲『鬼子母神』~鬼哭
静がはなを連れ、オニコサ村と決別して山を降りる場面
鬼拵ノ唄フェードアウトから啾啾と全く同じイントロに始まるが、「はな、行こう」まで言いきる。
直後に激しい本イントロが始まり最後の花火と言った感じでラストを飾る曲調になる。
内容は紅涙から一転、村への憎しみを込め、決別を誓う静の感情が描かれる。
全編通して、特にギターソロ部分で響く激しいドラムが爽快なオススメ曲。
最後は「花を生けよう 何処かで」と言い残し、原作でもその後の消息は語られていない。
アルバムとしてはかなり寂しげな終わり方になるが、ライブでは最後に特別な演出がある。
こんな感じだろうか。
結局原作を読まなくても作品として楽しめるとは思うが、原作ありきだと思う。
次はとりあえずいつもの作品に戻しておいた方がいいんじゃないかな(笑)
自分は良かったけど、さすがにこれ人選ぶぞと思ったもん。
ちなみにこんな陰陽座は嫌だというのを昔スレで話したことがあったそうだが、
その中に「アルバム1つが全部組曲」というのがあったらしい。
本当にやってしまった(笑)
というのもこの作品、個人的には原作も付いてクオリティも高く非常に良かったのだが、
まだ陰陽座を知らない人や今までの陰陽座が良いという人にとっては少し違う作品となる。
やはり「紺碧の双刃」で陰陽座の正統派進化は極まったという印象があり、
これに対しこの鬼子母神というアルバムからは明らかに今までと少し違う印象を受ける。
そんなわけで自分の中でもちゃんとこの作品を単体として評価できるようになってから、
はじめてこの作品を正当に評価することができるのではないかと思っていたわけだ。
なにを隠そうこの鬼子母神、陰陽座初のコンセプトアルバムである。
収録曲は全て組曲『鬼子母神』となっている。
それでは今回は、場面紹介も含めて全曲レビューでもしてみようと思う。
まずは登場人物紹介。
九鬼十蔵
主人公であり、自分の村からの移動中に高熱により意識を失う。
オニコサ村で目覚め、年に一度の鬼退治に協力を頼まれ、治療のお礼にと快く引き受ける。
静
数年前に村にやってきて外れの家に住む。
村人とは交流がなく、いつも死んだ我が子のことを思っている。
貞
村の長であり、巫女として村の運気を占っている。
部下とともに十蔵を助け、村のための鬼退治を依頼する。
茂吉
元は村人だったが、村を離れ山の中に住む。
はなという少女を連れており、人食いの鬼と呼ばれる。
曲タイトルの文字数により誰の曲かが異なる。
1文字:十蔵、2文字:静、4文字:貞・村人、5文字:茂吉
組曲『鬼子母神』~啾啾
森の中で少女と「鬼」が寄り添う場面
インスト曲、最後に「はな」と一言だけ入りそのまま次曲へつながる。
序盤のキーボードの静かな曲調からのメロディーラインはそのままに、
激しいギターパートへと変化する部分がアルバム全編通しても聴きどころとなる。
掴みとしてはかなり良く、後の展開を期待させてくれる。
組曲『鬼子母神』~徨
戦に敗れた十蔵が熱にうなされながら森の中をさまよう場面
瞬火は十蔵、黒猫は戦で殺された十蔵の妻を演じる。
最初の瞬火パートがかなりの低音からスタートするのでお気に入り。
ギターソロ前からかなり爽快な雰囲気に転調し聴きごたえがある曲展開を見せる。
キャッチーという意味ではアルバム中で1、2を争うオススメ曲だろう。
組曲『鬼子母神』~産衣
静が村外れの一軒家の中で空の産衣を抱いて一人で語り掛ける場面
自らの子を蘇らせるため、村の子供をさらって生き肝を奪うことを企む。
徨の最後から直接つながるのでここまでの展開はかなり気に入っている。
しかし曲調はガラッと変わり、ドロドロとした静の感情が描かれている。
組曲『鬼子母神』~膾
十蔵が鬼退治の真相の真相を目の当たりにする場面
鬼とは外の村からやってきた者のことで、退治(殺害)した者が次の年の鬼となる。
陰陽座の中でも群を抜いて暗く激しい曲であり、DIR EN GREY風な曲調ともいえる。
歌詞の半分は語りに近いが、ギターソロのスピード感が最高。
組曲『鬼子母神』~鬼拵ノ唄
オニコサ村で祭が催され、村人全員で歌を歌う場面
村固有の宗教ともいえる風習をそのまま表した歌であり、他のお祭り曲とは雰囲気が異なる。
その代りライブでは宗教並みに引きこまれ盛り上がること必至。
「鬼がいなけりゃ拵えりゃええ!」は一度はライブに行って扇子を振り回しながら叫ぶべき。
組曲『鬼子母神』~月光
月光に照らされ森を逃げる中、静がさらった子供に語り掛ける場面
一度は殺そうとした子供に徐々に愛着がわき、殺すのをためらう過程が表現される。
前半終了からいきなり静かな雰囲気になり、かつとても綺麗な曲調になる。
サビの「生肝抜いてやる お前」は歌声と歌詞の内容が全く合っていない。
組曲『鬼子母神』~柘榴と呪縛
十蔵、静、茂吉が森の中で偶然出会い、茂吉が過去を語る場面
柘榴ばかり食べているせいで栄養が乏しく、自らの肉を食べていたことで人食い鬼と呼ばれた。
鬼退治の際に子供を取り返そうとした妻、葉奈を村人に殺され村を抜ける。
少女を拾い、はなと名付け育てるが、はなは耳が聞こえないので話すことができない。
瞬火が茂吉、黒猫が葉奈を演じ、葉奈が茂吉に語り掛けているように歌われる。
茂吉パートの瞬火の最大限に感情のこもった歌唱は何度聴いても良い。
組曲『鬼子母神』~鬼子母人
十蔵達が村に再び乗り込み、洞窟で貞が反魂の儀式を行い本性を現す場面
貞は毎年生贄に出される子供の生肝を抜いて死んだ我が子の反魂の儀式を行っていた。
陰陽座初のシンフォニックメタル楽曲であり、三拍子で始まる珍しい曲調。
ライブでは初期以来かなり久しぶりに恐ろしい黒猫を見ることができる。
イントロが一番の聴きどころで曲自体はよくあるタイプだが、
最後の「私に捧げよ」のシャウトは必聴。
組曲『鬼子母神』~怨讐の果て
洞窟の中で茂吉が妻の仇を殺し、その後村人達に殺される場面
デーデデデデという繰り返しのリズムでフェードインしてくるところがカッコいい。
瞬火の歌唱が妻と子を殺された茂吉の叫びを完全に体現している。
正統派メタルであり、個人的にこのアルバムの中で一番気に入っている楽曲。
組曲『鬼子母神』~径
貞が死に、村人達に囲まれた洞窟の中から鬼の芝居をして十蔵と静が抜け出す場面
静は十蔵の策に乗り、全裸になり貞の血を体に塗りつけ「つがいの鬼」として洞窟を抜ける。
原作を読んでいるのといないのとではイントロから受ける印象が全然違うだろう。
前半部分は鬼の芝居をする十蔵の口上、後半は逃げる静の視点。
やはり前半部分の瞬火の歌唱が聴きどころとなる。
組曲『鬼子母神』~紅涙
静が森の中からはなと自分を逃がし村人達に殺される十蔵を見届ける場面
貞と争う最中に棒を突き刺され、かき回された目から血の涙が滴り落ちる。
物語が終わっていく雰囲気を見事に表した曲調で、最後の一泣きを誘う。
静の十蔵と共に生きたかったという思いがよく表現された一曲。
最後に鬼拵ノ唄がフェードインし、今後もこの儀式が繰り返されていくことがわかる。
組曲『鬼子母神』~鬼哭
静がはなを連れ、オニコサ村と決別して山を降りる場面
鬼拵ノ唄フェードアウトから啾啾と全く同じイントロに始まるが、「はな、行こう」まで言いきる。
直後に激しい本イントロが始まり最後の花火と言った感じでラストを飾る曲調になる。
内容は紅涙から一転、村への憎しみを込め、決別を誓う静の感情が描かれる。
全編通して、特にギターソロ部分で響く激しいドラムが爽快なオススメ曲。
最後は「花を生けよう 何処かで」と言い残し、原作でもその後の消息は語られていない。
アルバムとしてはかなり寂しげな終わり方になるが、ライブでは最後に特別な演出がある。
こんな感じだろうか。
結局原作を読まなくても作品として楽しめるとは思うが、原作ありきだと思う。
次はとりあえずいつもの作品に戻しておいた方がいいんじゃないかな(笑)
自分は良かったけど、さすがにこれ人選ぶぞと思ったもん。
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