不要

現実的な話をしよう。

俺は自分が絵では飯を食っていけないと思っている。

それはなんとなくそう言っているのではなく、諦めでもなく、
アマチュアに逃げて何でも許してもらおうという趣旨の発言でもない。

それは、なぜそうなのかが明確に説明できるからだ。

現代における絵というものがエンターテインメントだからである。

エンターテインメントの特性というものを、私はこう定義している。

「どんなに良作だろうが、それ抜きで環境が完成している場合には意味をなさないもの」

例えばあるアニメを物凄く気に入って友人に紹介したとする。

でもその友人はその時他のアニメにハマっていたとしたら、これは見てもらえないんです。

見てもらったとしても同様の感想を持ってもらうことはできないでしょう。

ましてアニメなんか興味ないと言われてしまえば本当にそれまでです。

このように、スポーツ等とは立ち位置が明らかに違うんですよね。

つまり何か現環境に刺さる要素を持っていて、多くの人の空白を満たすようなものでないと、
どんなにクオリティが高くても最悪見向きもされずに終わるということです。

こう言うと結構当たり前のことを言っているように思えてくる。

そしてこれが俺の絵にあるのかと聞かれると、無い。

だから絵で飯を食っていくことはできないわけです。

厳しいようだけども、現実はもっと厳しいんだ。

売れなかっただけでは済まされないのだから。

己の力量をしっかりと計ることもまた、社会で生き抜くのに必要なことですよ。

絵そのもので商売をする時代は、もうほぼ終了したんですね。